主な薬効は、1. 薬理作用 (1) 受容体親和性 (2) ドパミンD 2 受容体部分アゴニスト作用 (3) ドパミンD 3 受容体部分アゴニスト作用 (4) セロトニン5-HT 1A 受容体部分アゴニスト作用 (5) セロトニン5-HT 2A 受容体アンタゴニスト作用 (6) 統合失調症諸症状に関連する動物モデルでの改善作用 (7) カタレプシー惹起作用 (8) 血中プロラクチン濃度を調節する下垂体前葉ドパミンD 2 受容体に対する作用 です。

コンテンツ

商品名

一般的名称 商品名 製造元 薬価 添付文書
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール錠3mg「日医工」/アリピプラゾール錠6mg「日医工」/アリピプラゾール錠12mg「日医工」/アリピプラゾール散1%「日医工」 日医工株式会社 データ無し
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール錠3mg「ニプロ」/アリピプラゾール錠6mg「ニプロ」/アリピプラゾール錠12mg「ニプロ」/アリピプラゾール散1%「ニプロ」/アリピプラゾールOD錠3mg「ニプロ」/アリピプラゾールOD錠6mg「ニプロ」/アリピプラゾールOD錠12mg「ニプロ」/アリピプラゾールOD錠24mg「ニプロ」 ニプロ株式会社 データ無し
アリピプラゾール アリピプラゾール錠3mg「アメル」/アリピプラゾール錠6mg「アメル」/アリピプラゾール錠12mg「アメル」/アリピプラゾール錠24mg「アメル」/アリピプラゾール散1%「アメル」 共和薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール錠3mg「オーハラ」/アリピプラゾール錠6mg「オーハラ」/アリピプラゾール錠12mg「オーハラ」/アリピプラゾール散1%「オーハラ」 大原薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール錠3mg「オーハラ」/アリピプラゾール錠6mg「オーハラ」/アリピプラゾール錠12mg「オーハラ」/アリピプラゾール錠24mg「オーハラ」/アリピプラゾール散1%「オーハラ」 大原薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール錠・散 アリピプラゾール錠3mg「ヨシトミ」/アリピプラゾール錠6mg「ヨシトミ」/アリピプラゾール錠12mg「ヨシトミ」/アリピプラゾール散1%「ヨシトミ」 吉富薬品株式会社 データ無し
アリピプラゾール錠(アリピプラゾール錠3mg・6mg・12mg・24mg「明治」) アリピプラゾール口腔内崩壊錠(アリピプラゾールOD錠3mg・6mg・12mg・24mg「明治」) アリピプラゾール散(アリピプラゾール散1%「明治」) アリピプラゾール錠3mg「明治」/アリピプラゾール錠6mg「明治」/アリピプラゾール錠12mg「明治」/アリピプラゾール錠24mg「明治」/アリピプラゾールOD錠3mg「明治」/アリピプラゾールOD錠6mg「明治」/アリピプラゾールOD錠12mg「明治」/アリピプラゾールOD錠24mg「明治」/アリピプラゾール散1%「明治」 Meiji Seika ファルマ株式会社 データ無し
アリピプラゾール錠/散 アリピプラゾール錠3mg「トーワ」/アリピプラゾール錠6mg「トーワ」/アリピプラゾール錠12mg「トーワ」/アリピプラゾール錠24mg「トーワ」/アリピプラゾール散1%「トーワ」 東和薬品株式会社 データ無し
アリピプラゾール Aripiprazole エビリファイ錠1mg/エビリファイ錠3mg/エビリファイ錠6mg/エビリファイ錠12mg/エビリファイ散1% 大塚製薬株式会社 198円 (1%1g)
アリピプラゾール錠 アリピプラゾール錠3mg「YD」/アリピプラゾール錠6mg「YD」/アリピプラゾール錠12mg「YD」/アリピプラゾール錠24mg「YD」 株式会社 陽進堂 データ無し
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール細粒1%「タカタ」/アリピプラゾール錠3mg「タカタ」/アリピプラゾール錠6mg「タカタ」/アリピプラゾール錠12mg「タカタ」 高田製薬株式会社 データ無し
アリピプラゾール製剤 アリピプラゾール錠3mg「JG」/アリピプラゾール錠6mg「JG」/アリピプラゾール錠12mg「JG」 日本ジェネリック株式会社 データ無し
アリピプラゾール錠 アリピプラゾール錠3mg「サワイ」/アリピプラゾール錠6mg「サワイ」/アリピプラゾール錠12mg「サワイ」/アリピプラゾール錠24mg「サワイ」 沢井製薬株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「アメル」/アリピプラゾールOD錠6mg「アメル」/アリピプラゾールOD錠12mg「アメル」/アリピプラゾールOD錠24mg「アメル」 共和薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠6mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠12mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠24mg「オーハラ」 大原薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠6mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠12mg「オーハラ」/アリピプラゾールOD錠24mg「オーハラ」 大原薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「タカタ」/アリピプラゾールOD錠6mg「タカタ」/アリピプラゾールOD錠12mg「タカタ」/アリピプラゾールOD錠24mg「タカタ」 高田製薬株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「ヨシトミ」/アリピプラゾールOD錠6mg「ヨシトミ」/アリピプラゾールOD錠12mg「ヨシトミ」/アリピプラゾールOD錠24mg「ヨシトミ」 吉富薬品株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「日医工」/アリピプラゾールOD錠6mg「日医工」/アリピプラゾールOD錠12mg「日医工」/アリピプラゾールOD錠24mg「日医工」 日医工株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠6mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠12mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠24mg「杏林」 杏林製薬株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠6mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠12mg「杏林」/アリピプラゾールOD錠24mg「杏林」 株式会社 陽進堂 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「JG」/アリピプラゾールOD錠6mg「JG」/アリピプラゾールOD錠12mg「JG」/アリピプラゾールOD錠24mg「JG」 日本ジェネリック株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「武田テバ」/アリピプラゾールOD錠6mg「武田テバ」/アリピプラゾールOD錠12mg「武田テバ」/アリピプラゾールOD錠24mg「武田テバ」 武田薬品工業株式会社 データ無し
アリピプラゾール口腔内崩壊錠 アリピプラゾールOD錠3mg「トーワ」/アリピプラゾールOD錠6mg「トーワ」/アリピプラゾールOD錠12mg「トーワ」/アリピプラゾールOD錠24mg「トーワ」 東和薬品株式会社 データ無し
アリピプラゾール Aripiprazole エビリファイOD錠3mg/エビリファイOD錠6mg/エビリファイOD錠12mg/エビリファイOD錠24mg 大塚製薬株式会社 666円 (24mg1錠)
アリピプラゾール Aripiprazole エビリファイ内用液0.1% 大塚製薬株式会社 98円 (0.1%1mL)
アリピプラゾール水和物 Aripiprazole Hydrate エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ/エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ 大塚製薬株式会社 46539円 (400mg1キット)

禁忌

警告

1.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は高血糖の徴候・症状に注意すること。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし、投与にあたっては、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

2.
投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう指導すること。(「
慎重投与4.」の項、「重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

2.
バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]

3.
※※アドレナリン
(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)、クロザピンを投与中の患者(「
相互作用」の項参照)

4.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等
アドレナリン

※※
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)

 ボスミン

臨床症状・措置方法
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすおそれがある。

機序・危険因子
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

2.

薬剤名等
クロザピン

 クロザリル

臨床症状・措置方法
クロザピンは原則単剤で使用し、他の抗精神病薬とは併用しないこととされている。本剤は半減期が長いため、本剤が体内から消失するまでクロザピンを投与しないこと。

機序・危険因子
本剤が血中から消失するまでに時間を要する。

効果・効能

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

効能又は効果

統合失調症

●双極性感情障害における躁症状の改善

うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)

●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

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関連する疾病:

統合失調症, 小児自閉症, うつ状態, 易刺激性, うつ病, 自閉症

効能・効果に関連する使用上の注意
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
1.
選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等による適切な治療を行っても、十分な効果が認められない場合に限り、本剤を併用して投与すること。
2.
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤を投与する場合には、リスクとベネフィットを考慮すること。(「 その他の注意 5.」の項参照)
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
原則として6歳以上18歳未満の患者に使用すること。

関連する疾病:

小児自閉症, うつ状態, 自殺念慮, 自殺企図, 易刺激性, うつ病, 自閉症, 自殺

用法及び用量

統合失調症
通常、成人にはアリピプラゾールとして1日6〜12mgを開始用量、1日6〜24mgを維持用量とし、1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。
●双極性感情障害における躁症状の改善
通常、成人にはアリピプラゾールとして12〜24mgを1日1回経口投与する。なお、開始用量は24mgとし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。
●うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
通常、成人にはアリピプラゾールとして3mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
通常、アリピプラゾールとして1日1mgを開始用量、1日1〜15mgを維持用量とし、1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として最大3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。
用法及び用量に関連する使用上の注意

全効能共通
本剤が定常状態に達するまでに約2週間を要するため、2週間以内に増量しないことが望ましい。(〔
薬物動態〕の項参照)

統合失調症の場合
(1)
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。(増量による効果の増強は検証されていない。〔
臨床成績〕の項参照)
(2)
他の抗精神病薬から本剤に変更する患者よりも、新たに統合失調症の治療を開始する患者で副作用が発現しやすいため、このような患者ではより慎重に症状を観察しながら用量を調節すること。

双極性感情障害における躁症状の改善の場合
躁症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
本剤は選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等と併用すること。(うつ病・うつ状態に対して本剤単独投与での有効性は確認されていない。〔
臨床成績〕の項参照)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と長期にわたり投与しないこと。

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

効能又は効果

エビリファイOD錠3mg、同OD錠6mg、同OD錠12mg

統合失調症

●双極性感情障害における躁症状の改善

うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)

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●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

エビリファイOD錠24mg

統合失調症

●双極性感情障害における躁症状の改善

関連する疾病:

統合失調症, 小児自閉症, うつ状態, 易刺激性, うつ病, 自閉症

効能・効果に関連する使用上の注意
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
1.
選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等による適切な治療を行っても、十分な効果が認められない場合に限り、本剤を併用して投与すること。
2.
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤を投与する場合には、リスクとベネフィットを考慮すること。(「 その他の注意 5.」の項参照)
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
原則として6歳以上18歳未満の患者に使用すること。

関連する疾病:

小児自閉症, うつ状態, 自殺念慮, 自殺企図, 易刺激性, うつ病, 自閉症, 自殺

用法及び用量

統合失調症
通常、成人にはアリピプラゾールとして1日6〜12mgを開始用量、1日6〜24mgを維持用量とし、1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。

双極性感情障害における躁症状の改善
通常、成人にはアリピプラゾールとして12〜24mgを1日1回経口投与する。なお、開始用量は24mgとし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。
●うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
通常、成人にはアリピプラゾールとして3mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
通常、アリピプラゾールとして1日1mgを開始用量、1日1〜15mgを維持用量とし、1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として最大3mgとし、1日量は15mgを超えないこと。
用法及び用量に関連する使用上の注意

全効能共通
本剤が定常状態に達するまでに約2週間を要するため、2週間以内に増量しないことが望ましい。(〔
薬物動態〕の項参照)

統合失調症の場合
(1)
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。(増量による効果の増強は検証されていない。〔
臨床成績〕の項参照)
(2)
他の抗精神病薬から本剤に変更する患者よりも、新たに統合失調症の治療を開始する患者で副作用が発現しやすいため、このような患者ではより慎重に症状を観察しながら用量を調節すること。

双極性感情障害における躁症状の改善の場合
躁症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
本剤は選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等と併用すること。(うつ病・うつ状態に対して本剤単独投与での有効性は確認されていない。〔
臨床成績〕の項参照)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
(1)
定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と長期にわたり投与しないこと。
(2)
開始用量投与時又は3 mg未満での調節が必要な場合は、内用液、普通錠又は散を使用すること。

口腔内崩壊錠のみの注意事項
本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能であるが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

効能又は効果

統合失調症

●双極性感情障害における躁症状の改善

うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)

●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

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関連する疾病:

統合失調症, 小児自閉症, うつ状態, 易刺激性, うつ病, 自閉症

効能・効果に関連する使用上の注意
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
1.
選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等による適切な治療を行っても、十分な効果が認められない場合に限り、本剤を併用して投与すること。
2.
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤を投与する場合には、リスクとベネフィットを考慮すること。(「 その他の注意 5.」の項参照)
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
原則として6歳以上18歳未満の患者に使用すること。

関連する疾病:

小児自閉症, うつ状態, 自殺念慮, 自殺企図, 易刺激性, うつ病, 自閉症, 自殺

用法及び用量
●統合失調症
通常、成人にはアリピプラゾールとして1日6〜12mg(6〜12mL)を開始用量、1日6〜24mg(6〜24mL)を維持用量とし、1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mg(30mL)を超えないこと。
●双極性感情障害における躁症状の改善
通常、成人にはアリピプラゾールとして12〜24mg(12〜24mL)を1日1回経口投与する。なお、開始用量は24mg(24mL)とし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mg(30mL)を超えないこと。
●うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
通常、成人にはアリピプラゾールとして3mg(3mL)を1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として3mg(3mL)とし、1日量は15mg(15mL)を超えないこと。
●小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
通常、アリピプラゾールとして1日1mg(1mL)を開始用量、1日1〜15mg(1〜15mL)を維持用量とし、1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、増量幅は1日量として最大3mg(3mL)とし、1日量は15mg(15 mL)を超えないこと。
用法及び用量に関連する使用上の注意

全効能共通
本剤が定常状態に達するまでに約2週間を要するため、2週間以内に増量しないことが望ましい。(〔
薬物動態〕の項参照)

統合失調症の場合
(1)
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。(増量による効果の増強は検証されていない。〔
臨床成績〕の項参照)
(2)
他の抗精神病薬から本剤に変更する患者よりも、新たに統合失調症の治療を開始する患者で副作用が発現しやすいため、このような患者ではより慎重に症状を観察しながら用量を調節すること。

双極性感情障害における躁症状の改善の場合
躁症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合
本剤は選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等と併用すること。(うつ病・うつ状態に対して本剤単独投与での有効性は確認されていない。〔
臨床成績〕の項参照)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合
定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と長期にわたり投与しないこと。

内用液のみの注意事項
・ 本剤を直接服用するか、もしくは1回の服用量を白湯、湯冷まし又はジュース等に混ぜて、コップ一杯(約150mL)くらいに希釈して使用すること。なお、希釈後はなるべく速やかに使用するよう指導すること。
・ 煮沸していない水道水は、塩素の影響により混合すると含量が低下するので、希釈して使用しないよう指導すること。(「
適用上の注意 3.」の項参照)
・ 茶葉由来飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶、玄米茶等)及び味噌汁は、混合すると混濁・沈殿を生じ、含量が低下するので、希釈して使用しないよう指導すること。(「
適用上の注意 3.」の項参照)
・ 一部のミネラルウォーター(硬度の高いものなど)は、混合すると混濁を生じ、含量が低下することがあるので、濁りが生じた場合は服用しないよう指導すること。(「
適用上の注意 3.」の項参照)
・ 分包品(1mL、3mL、6mL、12mL)は、1回使い切りである。開封後は全量を速やかに服用させること。

一般的名称: アリピプラゾール水和物 Aripiprazole Hydrate;

効能又は効果

統合失調症

関連する疾病:

統合失調症

用法及び用量

通常、成人にはアリピプラゾールとして1回400mgを4週に1回臀部筋肉内又は三角筋内に投与する。なお、症状、忍容性に応じて1回量300mgに減量すること。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤は、臀部筋肉内又は三角筋内のみに投与すること。静脈内には絶対に投与しないこと。

2.
本剤は、初回投与後徐々に血漿中薬物濃度が上昇することから、初回投与後は2週間を目処に、以下の投与量を参考に経口アリピプラゾール製剤の併用を継続するなどの適切な治療を行うこと。

3.
本剤投与の際には、以下の表に従った注射針を用いること。[適切な血漿中濃度が得られないおそれがある。]

4.
本剤とCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び/又はCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合には、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、以下の表を参考に減量等を考慮すること。なお、本剤はプレフィルドシリンジ製剤であり、300mgを下回る用量は投与できないことから、300mg未満に減量する必要がある場合は、バイアル製剤を用いること。

5.
本剤は持続性製剤であることから、投与中止後も患者の症状を慎重に観察し、副作用等の発現に十分に注意すること。(
〔薬物動態〕の項参照)

臨床成績

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

臨床成績

エビリファイ錠の成績を以下に示す。


(1)
統合失調症

国内で実施された二重盲検2試験を含む臨床試験において、有効性の解析対象となった743例のうち承認された用法・用量の範囲における主な成績は次のとおりである

1)
一般臨床試験
最終全般改善度を主要評価項目とした8週間投与の後期第II相試験での、統合失調症患者53例における改善率
は、47.2%(25/53例)であった。

2)
二重盲検試験
二重盲検比較2試験における結果は以下に示すとおりで、アリピプラゾールの統合失調症に対する有効性が認められた。

●最終全般改善度を主要評価項目のひとつとし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
は以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 対象症例 111

 
改善率
 46.8%(52/111例)

●最終全般改善度を主要評価項目とし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
���以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 対象症例 119

 改善率
 31.9%(38/119例)

すべての国内臨床試験は任意増減法で実施されているため、増量することで効果の増強が認められるか否かは検証されていない。

3)
長期投与試験
最終全般改善度を有効性評価項目とした24週間以上投与の長期投与3試験での、統合失調症患者252例における最終評価時の改善率
は32.5%(82/252例)であった。

注)改善率は中等度改善以上の改善率を示す。最終全般改善度は、「著明改善」、「中等度改善」、「軽度改善」、「不変」、「軽度悪化」、「中等度悪化」、「著明悪化」、「判定不能」で評価した。

(外国人による成績)
4)
外国における二重盲検試験

1.
急性期プラセボ対照試験
統合失調症の急性増悪期の患者を対象とした、4あるいは6週間投与のプラセボ対照二重盲検比較試験において、アリピプラゾールはプラセボ群と比較してPANSS全尺度合計点などの指標を有意に改善した。PANSS全尺度合計点(平均変化量)は、アリピプラゾール固定用量15、30mg/日又は20、30mg/日を4週間投与した2試験では、プラセボ群:-2.9(n=102)、15mg/日群:-15.5(n=99)、30mg/日群:-11.4(n=100)又はプラセボ群:-5.0(n=103)、20mg/日群:-14.5(n=98)、30mg/日群:-13.9(n=96)であり、アリピプラゾール固定用量10、15、20mg/日を用いた6週間投与の試験では、プラセボ群:-2.3(n=107)、10mg/日群:-15.0(n=103)、15mg/日群:-11.7(n=103)、20mg/日群:-14.4(n=97)であった(各群とプラセボ群との比較結果はp≦0.01)。

なお、15mgを超える高用量群が10又は15mgより効果が高いというエビデンスは得られていない。

2.
プラセボ対照再発予防試験
安定期にある慢性統合失調症患者310例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(26週間投与、15mg/日)において、CGI改善度あるいはPANSSを用いて再発を定義し、主要有効性評価項目を「無作為化割付から再発までの期間」とした。アリピプラゾールはプラセボと比較して再発の危険を約50%減少させ、再発までの期間を有意に延長した。

(2)
双極性感情障害における躁症状の改善
国際共同試験として実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
短期試験(国際共同試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者(256例、日本人患者79例を含む)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール24mg(忍容性に応じて12mgへの減量可能)を1日1回3週間投与したとき、最終評価時におけるヤング躁病評価尺度(Young-Mania Rating Scale、YMRS)合計点のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はアリピプラゾール群-12.0±12.9、プラセボ群-6.0±14.4で、群間差とその95%信頼区間は-6.0[-9.4,-2.7]であり、統計学的な有意差が認められた(p<0.001、ベースライン値及び国で調整した共分散分析)(表3)。

2)
長期投与試験

1.
二重盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した有効例(99例、日本人患者32例を含む)を対象に実施したプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表4)。

2.
気分安定薬併用非盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した悪化例・不変例及び効果不十分中止例(59例、日本人患者11例を含む)を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表5)。

3.
気分安定薬併用非盲検試験(国内臨床試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回24週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表6)。

(3)
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
抗うつ剤治療で十分な効果が認められない大うつ病性障害患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を承認用法・用量で8週間投与し、十分な効果が認められないことを前方視的に確認した後、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mg又は3mgを1日1回6週間投与した。最終評価時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計点のベースラインからの変化量は下表に示すとおりであり、アリピプラゾール3〜15mg群及び3mg群の両群で、プラセボ群に対し統計学的な有意差が認められた(3〜15mg群p=0.006、3mg群p<0.001、ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))(表7)。

2)
長期投与試験
二重盲検試験からの移行例及び新たに組み入れられた65歳以上のSSRI又はSNRI(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を投与中の大うつ病性障害患者を対象に実施した非盲検非対照試験において、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mgを1日1回52週間投与したとき、MADRS合計点の推移は下表のとおりであった(表8)。

(4)
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
DSM
-IV-TR により自閉性障害と診断され、易刺激性を有する患者(6〜17歳)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験で、アリピプラゾールを1〜15mg/日で1日1回8週間投与したとき、最終評価時におけるABC-J(異常行動チェックリスト日本語版)の興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群に対しアリピプラゾール群で統計学的な有意差が認められた(p=0.044、投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)(表9)。

注)American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)

2)
長期投与試験
二重盲検試験を完了した患者(6〜17歳)を対象に実施した非盲検非対照長期試験で、アリピプラゾールを1〜15 mg/日で1日1回投与したとき、ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移は下表のとおりであった(表10)。

臨床成績の表

表3 最終評価時におけるYMRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  YMRS合計点
ベースライン 
YMRS合計点
最終評価時 
YMRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  125  28.0±5.97  22.0±15.23  -6.0±14.41  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 
アリピプラゾール群  122  28.3±5.96  16.3±13.37  -12.0±12.94  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 

(平均値±標準偏差、a)ベースライン値及び国で調整した共分散分析)

表4 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

投与群  ベースライン  4週  12週  22週 
プラセボ群  8.6±7.58(42)  9.7±9.55(34)  7.3±10.22(26)  3.1±6.25(19) 
アリピプラゾール群  7.4±7.02(54)  3.3±3.65(42)  2.6±2.54(32)  1.4±1.59(29) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表5 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  22週 
30.5±7.75(55)  11.0±10.53(45)  5.1±6.50(29)  3.8±6.30(23) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表6 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  24週 
23.2±5.50(40)  8.1±8.23(33)  2.3±3.39(28)  1.5±2.80(19) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表7 最終評価時におけるMADRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  MADRS合計点
ベースライン 
MADRS合計点
最終評価時 
MADRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  195  25.5±7.4  18.1±9.8  -7.4±8.1  –  – 
アリピプラゾール3〜15mg群  194  25.3±7.3  15.8±9.4  -9.6±7.5  -2.2
[-3.7,-0.6] 
0.006 
アリピプラゾール3mg群  197  25.2±7.2  14.8±9.3  -10.4±8.3  -3.1
[-4.6,-1.5] 
<0.001 

(平均値±標準偏差、a)ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))

表8 MADRS合計点の推移(FAS、OC)

アリピプラゾール投与例  ベースライン  6週  12週  24週  52週 
全体(移行例と新規例)  18.2±9.6(155)  12.6±8.7(144)  12.3±9.7(136)  11.6±9.3(108)  8.8±8.3(84) 
移行例  16.4±8.9(122)  13.0±8.8(118)  12.6±9.9(113)  11.6±9.4(95)  9.1±8.6(74) 
新規例(65歳以上)  24.8±9.3(33)  10.9±7.9(26)  10.7±8.5(23)  11.3±9.4(13)  7.3±6.2(10) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表9 最終評価時におけるABC-J興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量 (FAS、LOCF)

投与群  例数  ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースライン 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
最終評価時 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  45  26.8±6.5  20.2±9.1  -6.7±11.0  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 
アリピプラゾール群  47  27.1±7.2  15.8±10.1  -11.3±9.1  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 

(平均値±標準偏差、a)投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)

表10 ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移 (有効性解析対象集団、OC)

ベースライン  8週  24週  48週  96週 
17.7±10.0(85)  13.5±9.9(83)  13.3±9.9(62)  11.6±8.8(46)  14.9±10.3(26) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

臨床成績

エビリファイ錠(普通錠)の成績を以下に示す。


(1)
統合失調症

国内で実施された二重盲検2試験を含む臨床試験において、有効性の解析対象となった743例のうち承認された用法・用量の範囲における主な成績は次のとおりである

1)
一般臨床試験
最終全般改善度を主要評価項目とした8週間投与の後期第II相試験での、統合失調症患者53例における改善率
は、47.2%(25/53例)であった。

2)
二重盲検試験
二重盲検比較2試験における結果は以下に示すとおりで、アリピプラゾールの統合失調症に対する有効性が認められた。

●最終全般改善度を主要評価項目のひとつとし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
は以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 対象症例 111

 
改善率
 46.8%(52/111例)

●最終全般改善度を主要評価項目とし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
は以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 
対象症例 119

 
改善率
 31.9%(38/119例)

すべての国内臨床試験は任意増減法で実施されているため、増量することで効果の増強が認められるか否かは検証されていない。

3)
長期投与試験
最終全般改善度を有効性評価項目とした24週間以上投与の長期投与3試験での、統合失調症患者252例における最終評価時の改善率
は32.5%(82/252例)であった。

注)改善率は中等度改善以上の改善率を示す。最終全般改善度は、「著明改善」、「中等度改善」、「軽度改善」、「不変」、「軽度悪化」、「中等度悪化」、「著明悪化」、「判定不能」で評価した。

(外国人による成績)
4)
外国における二重盲検試験

1.
急性期プラセボ対照試験
統合失調症の急性増悪期の患者を対象とした、4あるいは6週間投与のプラセボ対照二重盲検比較試験において、アリピプラゾールはプラセボ群と比較してPANSS全尺度合計点などの指標を有意に改善した。PANSS全尺度合計点(平均変化量)は、アリピプラゾール固定用量15、30mg/日又は20、30mg/日を4週間投与した2試験では、プラセボ群:-2.9(n=102)、15mg/日群:-15.5(n=99)、30mg/日群:-11.4(n=100)又はプラセボ群:-5.0(n=103)、20mg/日群:-14.5(n=98)、30mg/日群:-13.9(n=96)であり、アリピプラゾール固定用量10、15、20mg/日を用いた6週間投与の試験では、プラセボ群:-2.3(n=107)、10mg/日群:-15.0(n=103)、15mg/日群:-11.7(n=103)、20mg/日群:-14.4(n=97)であった(各群とプラセボ群との比較結果はp≦0.01)。なお、15mgを超える高用量群が10又は15mgより効果が高いというエビデンスは得られていない。

2.
プラセボ対照再発予防試験
安定期にある慢性統合失調症患者310例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(26週間投与、15mg/日)において、CGI改善度あるいはPANSSを用いて再発を定義し、主要有効性評価項目を「無作為化割付から再発までの期間」とした。アリピプラゾールはプラセボと比較して再発の危険を約50%減少させ、再発までの期間を有意に延長した。

(2)
双極性感情障害における躁症状の改善
国際共同試験として実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
短期試験(国際共同試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者(256例、日本人患者79例を含む)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール24mg(忍容性に応じて12mgへの減量可能)を1日1回3週間投与したとき、最終評価時におけるヤング躁病評価尺度(Young-Mania Rating Scale、YMRS)合計点のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はアリピプラゾール群-12.0±12.9、プラセボ群-6.0±14.4で、群間差とその95%信頼区間は-6.0[-9.4,-2.7]であり、統計学的な有意差が認められた(p<0.001、ベースライン値及び国で調整した共分散分析)(表4)。

2)
長期投与試験

1.
二重盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した有効例(99例、日本人患者32例を含む)を対象に実施したプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表5)。

2.
気分安定薬併用非盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した悪化例・不変例及び効果不十分中止例(59例、日本人患者11例を含む)を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表6)。

3.
気分安定薬併用非盲検試験(国内臨床試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回24週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表7)。

(3)
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
抗うつ剤治療で十分な効果が認められない大うつ病性障害患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を承認用法・用量で8週間投与し、十分な効果が認められないことを前方視的に確認した後、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mg又は3mgを1日1回6週間投与した。最終評価時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計点のベースラインからの変化量は下表に示すとおりであり、アリピプラゾール3〜15mg群及び3mg群の両群で、プラセボ群に対し統計学的な有意差が認められた(3〜15mg群p=0.006、3mg群p<0.001、ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))(表8)。

2)
長期投与試験
二重盲検試験からの移行例及び新たに組み入れられた65歳以上のSSRI又はSNRI(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を投与中の大うつ病性障害患者を対象に実施した非盲検非対照試験において、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mgを1日1回52週間投与したとき、MADRS合計点の推移は下表のとおりであった(表9)。

(4)
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
DSM
-IV-TR により自閉性障害と診断され、易刺激性を有する患者(6〜17歳)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験で、アリピプラゾールを1〜15mg/日で1日1回8週間投与したとき、最終評価時におけるABC-J(異常行動チェックリスト日本語版)の興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群に対しアリピプラゾール群で統計学的な有意差が認められた(p=0.044、投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)(表10)。

注)American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)

2)
長期投与試験
二重盲検試験を完了した患者(6〜17歳)を対象に実施した非盲検非対照長期試験で、アリピプラゾールを1〜15 mg/日で1日1回投与したとき、ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移は下表のとおりであった(表11)。

臨床成績の表

表4 最終評価時におけるYMRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  YMRS合計点
ベースライン 
YMRS合計点
最終評価時 
YMRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  125  28.0±5.97  22.0±15.23  -6.0±14.41  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 
アリピプラゾール群  122  28.3±5.96  16.3±13.37  -12.0±12.94  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 

(平均値±標準偏差,a)ベースライン値及び国で調整した共分散分析)

表5 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

投与群  ベースライン  4週  12週  22週 
プラセボ群  8.6±7.58(42)  9.7±9.55(34)  7.3±10.22(26)  3.1±6.25(19) 
アリピプラゾール群  7.4±7.02(54)  3.3±3.65(42)  2.6±2.54(32)  1.4±1.59(29) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表6 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  22週 
30.5±7.75(55)  11.0±10.53(45)  5.1±6.50(29)  3.8±6.30(23) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表7 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  24週 
23.2±5.50(40)  8.1±8.23(33)  2.3±3.39(28)  1.5±2.80(19) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表8 最終評価時におけるMADRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  MADRS合計点
ベースライン 
MADRS合計点
最終評価時 
MADRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  195  25.5±7.4  18.1±9.8  -7.4±8.1  –  – 
アリピプラゾール3〜15mg群  194  25.3±7.3  15.8±9.4  -9.6±7.5  -2.2
[-3.7,-0.6] 
0.006 
アリピプラゾール3mg群  197  25.2±7.2  14.8±9.3  -10.4±8.3  -3.1
[-4.6,-1.5] 
<0.001 

(平均値±標準偏差、a)ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))

表9 MADRS合計点の推移(FAS、OC)

アリピプラゾール投与例  ベースライン  6週  12週  24週  52週 
全体(移行例と新規例)  18.2±9.6(155)  12.6±8.7(144)  12.3±9.7(136)  11.6±9.3(108)  8.8±8.3(84) 
移行例  16.4±8.9(122)  13.0±8.8(118)  12.6±9.9(113)  11.6±9.4(95)  9.1±8.6(74) 
新規例(65歳以上)  24.8±9.3(33)  10.9±7.9(26)  10.7±8.5(23)  11.3±9.4(13)  7.3±6.2(10) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表10 最終評価時におけるABC-J興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量 (FAS、LOCF)

投与群  例数  ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースライン 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
最終評価時 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  45  26.8±6.5  20.2±9.1  -6.7±11.0  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 
アリピプラゾール群  47  27.1±7.2  15.8±10.1  -11.3±9.1  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 

(平均値±標準偏差、a)投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)

表11 ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移 (有効性解析対象集団、OC)

ベースライン  8週  24週  48週  96週 
17.7±10.0(85)  13.5±9.9(83)  13.3±9.9(62)  11.6±8.8(46)  14.9±10.3(26) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

臨床成績

エビリファイ錠(普通錠)の成績を以下に示す。


(1)
統合失調症

国内で実施された二重盲検2試験を含む臨床試験において、有効性の解析対象となった743例のうち承認された用法・用量の範囲における主な成績は次のとおりである

1)
一般臨床試験
最終全般改善度を主要評価項目とした8週間投与の後期第II相試験での、統合失調症患者53例における改善率
は、47.2%(25/53例)であった。

2)
二重盲検試験
二重盲検比較2試験における結果は以下に示すとおりで、アリピプラゾールの統合失調症に対する有効性が認められた。

●最終全般改善度を主要評価項目のひとつとし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
は以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 対象症例 111

 
改善率
 46.8%(52/111例)

●最終全般改善度を主要評価項目とし8週間投与による試験を実施した。最終全般改善度における改善率
は以下に示すとおりであった。

アリピプラゾール投与群

 対象症例 119

 
改善率
 31.9%(38/119例)

すべての国内臨床試験は任意増減法で実施されているため、増量することで効果の増強が認められるか否かは検証されていない。

3)
長期投与試験
最終全般改善度を有効性評価項目とした24週間以上投与の長期投与3試験での、統合失調症患者252例における最終評価時の改善率
は32.5%(82/252例)であった。

注)改善率は中等度改善以上の改善率を示す。最終全般改善度は、「著明改善」、「中等度改善」、「軽度改善」、「不変」、「軽度悪化」、「中等度悪化」、「著明悪化」、「判定不能」で評価した。

(外国人による成績)
4)
外国における二重盲検試験

1.
急性期プラセボ対照試験
統合失調症の急性増悪期の患者を対象とした、4あるいは6週間投与のプラセボ対照二重盲検比較試験において、アリピプラゾールはプラセボ群と比較してPANSS全尺度合計点などの指標を有意に改善した。PANSS全尺度合計点(平均変化量)は、アリピプラゾール固定用量15、30mg/日又は20、30mg/日を4週間投与した2試験では、プラセボ群:-2.9(n=102)、15mg/日群:-15.5(n=99)、30mg/日群:-11.4(n=100)又はプラセボ群:-5.0(n=103)、20mg/日群:-14.5(n=98)、30mg/日群:-13.9(n=96)であり、アリピプラゾール固定用量10、15、20mg/日を用いた6週間投与の試験では、プラセボ群:-2.3(n=107)、10mg/日群:-15.0(n=103)、15mg/日群:-11.7(n=103)、20mg/日群:-14.4(n=97)であった(各群とプラセボ群との比較結果はp≦0.01)。

なお、15mgを超える高用量群が10又は15mgより効果が高いというエビデンスは得られていない。

2.
プラセボ対照再発予防試験
安定期にある慢性統合失調症患者310例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(26週間投与、15mg/日)において、CGI改善度あるいはPANSSを用いて再発を定義し、主要有効性評価項目を「無作為化割付から再発までの期間」とした。アリピプラゾールはプラセボと比較して再発の危険を約50%減少させ、再発までの期間を有意に延長した。

(2)
双極性感情障害における躁症状の改善
国際共同試験として実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
短期試験(国際共同試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者(256例、日本人患者79例を含む)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール24mg(忍容性に応じて12mgへの減量可能)を1日1回3週間投与したとき、最終評価時におけるヤング躁病評価尺度(Young-Mania Rating Scale、YMRS)合計点のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はアリピプラゾール群-12.0±12.9、プラセボ群-6.0±14.4で、群間差とその95%信頼区間は-6.0[-9.4,-2.7]であり、統計学的な有意差が認められた(p<0.001、ベースライン値及び国で調整した共分散分析)(表3)。

2)
長期投与試験

1.
二重盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した有効例(99例、日本人患者32例を含む)を対象に実施したプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験において、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表4)。

2.
気分安定薬併用非盲検試験(国際共同試験)
短期試験を完了した悪化例・不変例及び効果不十分中止例(59例、日本人患者11例を含む)を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回22週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表5)。

3.
気分安定薬併用非盲検試験(国内臨床試験)
躁病エピソード又は混合性エピソードを呈した双極I型障害患者を対象に実施した非盲検試験において、気分安定薬として炭酸リチウム又はバルプロ酸ナトリウムのいずれか1剤の併用下で、アリピプラゾール12〜30mgを1日1回24週間投与したとき、YMRS合計点の推移は下表のとおりであった(表6)。

(3)
うつ病うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
抗うつ剤治療で十分な効果が認められない大うつ病性障害患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を承認用法・用量で8週間投与し、十分な効果が認められないことを前方視的に確認した後、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mg又は3mgを1日1回6週間投与した。最終評価時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計点のベースラインからの変化量は下表に示すとおりであり、アリピプラゾール3〜15mg群及び3mg群の両群で、プラセボ群に対し統計学的な有意差が認められた(3〜15mg群p=0.006、3mg群p<0.001、ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))(表7)。

2)
長期投与試験
二重盲検試験からの移行例及び新たに組み入れられた65歳以上のSSRI又はSNRI(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン及びデュロキセチン)を投与中の大うつ病性障害患者を対象に実施した非盲検非対照試験において、SSRI又はSNRIの併用下で、アリピプラゾール3〜15mgを1日1回52週間投与したとき、MADRS合計点の推移は下表のとおりであった(表8)。

(4)
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内で実施された二重盲検試験を含む臨床試験における主な成績は次のとおりである。

1)
二重盲検試験
DSM
-IV-TR により自閉性障害と診断され、易刺激性を有する患者(6〜17歳)を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験で、アリピプラゾールを1〜15mg/日で1日1回8週間投与したとき、最終評価時におけるABC-J(異常行動チェックリスト日本語版)の興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群に対しアリピプラゾール群で統計学的な有意差が認められた(p=0.044、投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)(表9)。

注)American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)

2)
長期投与試験
二重盲検試験を完了した患者(6〜17歳)を対象に実施した非盲検非対照長期試験で、アリピプラゾールを1〜15 mg/日で1日1回投与したとき、ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移は下表のとおりであった(表10)。

臨床成績の表

表3 最終評価時におけるYMRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  YMRS合計点
ベースライン 
YMRS合計点
最終評価時 
YMRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  125  28.0±5.97  22.0±15.23  -6.0±14.41  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 
アリピプラゾール群  122  28.3±5.96  16.3±13.37  -12.0±12.94  -6.0
[-9.4,-2.7] 
<0.001 

(平均値±標準偏差、a)ベースライン値及び国で調整した共分散分析)

表4 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

投与群  ベースライン  4週  12週  22週 
プラセボ群  8.6±7.58(42)  9.7±9.55(34)  7.3±10.22(26)  3.1±6.25(19) 
アリピプラゾール群  7.4±7.02(54)  3.3±3.65(42)  2.6±2.54(32)  1.4±1.59(29) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表5 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  22週 
30.5±7.75(55)  11.0±10.53(45)  5.1±6.50(29)  3.8±6.30(23) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表6 YMRS合計点の推移(FAS、OC)

ベースライン  4週  12週  24週 
23.2±5.50(40)  8.1±8.23(33)  2.3±3.39(28)  1.5±2.80(19) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表7 最終評価時におけるMADRS合計点のベースラインからの変化量(FAS、LOCF)

投与群  例数  MADRS合計点
ベースライン 
MADRS合計点
最終評価時 
MADRS合計点
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  195  25.5±7.4  18.1±9.8  -7.4±8.1  −  − 
アリピプラゾール3〜15mg群  194  25.3±7.3  15.8±9.4  -9.6±7.5  -2.2
[-3.7,-0.6] 
0.006 
アリピプラゾール3mg群  197  25.2±7.2  14.8±9.3  -10.4±8.3  -3.1
[-4.6,-1.5] 
<0.001 

(平均値±標準偏差、a)ベースライン値で調整した共分散分析(3〜15mg群、3mg群の順による閉検定手順))

表8 MADRS合計点の推移(FAS、OC)

アリピプラゾール投与例  ベースライン  6週  12週  24週  52週 
全体(移行例と新規例)  18.2±9.6(155)  12.6±8.7(144)  12.3±9.7(136)  11.6±9.3(108)  8.8±8.3(84) 
移行例  16.4±8.9(122)  13.0±8.8(118)  12.6±9.9(113)  11.6±9.4(95)  9.1±8.6(74) 
新規例(65歳以上)  24.8±9.3(33)  10.9±7.9(26)  10.7±8.5(23)  11.3±9.4(13)  7.3±6.2(10) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

表9 最終評価時におけるABC-J興奮性下位尺度スコアのベースラインからの変化量 (FAS、LOCF)

投与群  例数  ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースライン 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
最終評価時 
ABC-J興奮性下位尺度スコア
ベースラインからの変化量 
プラセボ群との対比較
群間差
[95%信頼区間] 
プラセボ群との対比較
p値 
プラセボ群  45  26.8±6.5  20.2±9.1  -6.7±11.0  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 
アリピプラゾール群  47  27.1±7.2  15.8±10.1  -11.3±9.1  -3.9
[-7.8, -0.1] 
0.044 

(平均値±標準偏差、a)投与群及びベースラインの体重区分(≧40kg、<40kg)を因子とし、ベースラインを共変量とした共分散分析)

表10 ABC-J興奮性下位尺度スコアの推移 (有効性解析対象集団、OC)

ベースライン  8週  24週  48週  96週 
17.7±10.0(85)  13.5±9.9(83)  13.3±9.9(62)  11.6±8.8(46)  14.9±10.3(26) 

(平均値±標準偏差(評価例数))

一般的名称: アリピプラゾール水和物 Aripiprazole Hydrate;

臨床成績の表

表4 カプラン・マイヤー法による26週後の精神症状の非悪化/非再発率(二重盲検期)

投与群  対象
例数
 
26週後:
非悪化/非再発率(%)
 
26週後:
SE
 
26週後:
錠剤群に対する差
 
26週後:
95%信頼区間
 
本剤群  228  95.0  1.5  0.3  -3.9,4.5 
錠剤群  227  94.7  1.6  0.3  -3.9,4.5 

a:カプラン・マイヤー法による26週後(183日)の精神症状の非悪化/非再発率

副作用

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

副作用

副作用等発現状況の概要

統合失調症
国内臨床試験において安全性解析の対象となった743例中、副作用が452例(60.8%)に認められた。主な副作用は、不眠(27.1%)、神経過敏(14.8%)、アカシジア(11.7%)、振戦(手指振戦含む)(10.5%)、不安(9.6%)、体重減少(9.2%)、筋強剛(6.3%)及び食欲不振(6.2%)であった。また、主な臨床検査値の異常変動はCK(CPK)上昇(13.7%)、プロラクチン低下(10.9%)及びALT(GPT)上昇(7.0%)であった。(承認時)

双極性感情障害における躁症状の改善
国内臨床試験及び国際共同試験において安全性解析の対象となった192例中(日本人87例を含む)、臨床検査値の異常を含む副作用が144例(日本人71例を含む)(75.0%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(30.2%)、振戦(16.7%)、傾眠(12.5%)、寡動(10.9%)、流涎(10.4%)、不眠(9.9%)、体重増加(9.4%)、悪心(8.9%)、嘔吐(7.8%)及びジストニア(筋緊張異常)(5.2%)であった。(効能追加時)

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内臨床試験において安全性解析の対象となった467例中、臨床検査値の異常を含む副作用が320例(68.5%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(28.1%)、体重増加(10.1%)、振戦(9.4%)、傾眠(9.0%)、不眠(7.3%)、ALT(GPT)上昇(7.1%)、便秘(5.6%)であった。(効能追加時)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内臨床試験において安全性解析の対象となった88例中、臨床検査値の異常を含む副作用が64例(72.7%)に認められた。主な副作用は、傾眠(48.9%)、体重増加(18.2%)、流涎(9.1%)、食欲亢進(9.1%)、悪心(6.8%)、食欲減退(6.8%)、 倦怠感(5.7%)であった。(効能追加時)

重大な副作用

1.
悪性症候群 (0.1%)
※無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。

2.
遅発性ジスキネジア(0.1%)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。

3.
麻痺性イレウス(0.1%)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

4.
アナフィラキシー(頻度不明
)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
横紋筋融解症(0.1%)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

6.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明
)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されているので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 4.、6.」の項参照)

7.
低血糖(頻度不明
)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 5.、6.」の項参照)

8.
痙攣(0.4%)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.
無顆粒球症(頻度不明
)
、白血球減少(0.1%)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10.
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明
)
※抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 12.」の項参照)

11.
肝機能障害(頻度不明
)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.
精神神経系
5%以上 
不眠、神経過敏、不安、傾眠

2.
精神神経系
1〜5%未満 
めまい、頭痛、うつ病、幻覚

3.
精神神経系
1%未満 
リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、自殺企図、攻撃的反応、異常思考、拒食、独語、知覚減退、注意力障害、もやもや感、末梢神経障害、持続勃起、射精障害、勃起不全、失神、感情不安定、錯乱、神経症、妄想、譫妄、躁病反応、精神症状、双極性感情障害、認知症、健忘、嗜眠、睡眠障害、鎮静、舌麻痺、気力低下、激越(不安、焦燥、興奮)、パニック反応、片頭痛、顔面痙攣、錯感覚

4.
精神神経系
頻度不明
 
記憶障害、びくびく感、夢遊症、悪夢、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)

5.
錐体外路症状
5%以上 
アカシジア、振戦、流涎

6.
錐体外路症状
1〜5%未満 
寡動、歩行異常、ジストニア(筋緊張異常)、ジスキネジア、構音障害、筋強剛

7.
錐体外路症状
1%未満 
嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂、パーキンソン症候群、眼球挙上、眼球回転発作

8.
錐体外路症状
頻度不明
 
錐体外路障害、反射亢進

9.
循環器
1〜5%未満 
頻脈、高血圧

10.
循環器
1%未満 
心悸亢進、徐脈、低血圧、起立性低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)

11.
循環器
頻度不明
 
起立血圧異常、狭心症

12.
消化器
1〜5%未満 
便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、食欲亢進

13.
消化器
1%未満 
胃炎、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎、十二指腸炎、消化不良、口内炎、口唇炎、口唇腫脹、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、歯周病

14.
消化器
頻度不明
 
膵炎、歯肉痛、舌障害

15.
血液
1〜5%未満 
赤血球減少、白血球減少、白血球増多、好中球減少、好中球増多、好酸球減少、単球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット値低下

16.
血液
1%未満 
貧血、赤血球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、好酸球増多、単球減少、血小板減少、血小板増多、ヘモグロビン上昇、ヘマトクリット値上昇

17.
内分泌
1〜5%未満 
プロラクチン低下、月経異常

18.
内分泌
1%未満 
プロラクチン上昇

19.
内分泌
頻度不明
 
血中甲状腺刺激ホルモン増加、卵巣障害

20.
肝臓
5%以上 
ALT(GPT)上昇

21.
肝臓
1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇

22.
肝臓
1%未満 
脂肪肝、Al-P低下、LDH低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下

23.
肝臓
頻度不明
 
肝炎、黄疸

24.
腎臓
1〜5%未満 
BUN上昇、BUN低下、蛋白尿、尿沈渣異常

25.
腎臓
1%未満 
クレアチニン上昇、尿糖、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、尿比重上昇、尿比重低下、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少

26.
腎臓
頻度不明
 
ケトン尿

27.
泌尿器
1〜5%未満 
尿潜血

28.
泌尿器
1%未満 
排尿障害、血尿、膀胱炎、尿閉、頻尿、多尿

29.
泌尿器
頻度不明
 
尿失禁症

30.
過敏症
1%未満 
発疹、光線過敏性反応、湿疹、紅斑、そう痒症、酒さ

31.
過敏症
頻度不明
 
血管浮腫、蕁麻疹、薬物過敏症

32.
皮膚
1%未満 
ざ瘡、皮膚炎、皮膚乾燥、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害、脂漏、男性型多毛症

33.
皮膚
頻度不明
 
真菌感染、脱毛

34.
代謝異常
5%以上 
CK(CPK)上昇

35.
代謝異常
1〜5%未満 
口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、リン脂質低下

36.
代謝異常
1%未満 
多飲症、高血糖、水中毒、高尿酸血症、高脂血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、HDL-コレステロール低下、トリグリセライド低下、CK(CPK)低下

37.
代謝異常
頻度不明
 
血中ブドウ糖変動、血中インスリン増加

38.
呼吸器
1%未満 
鼻炎、咽頭炎、気管支炎、気管支痙攣、咽喉頭症状、しゃっくり、鼻乾燥

39.
呼吸器
頻度不明
 
嚥下性肺炎

40.
1%未満 
霧視、眼乾燥、視力障害、調節障害、羞明、眼の異常感、眼痛

41.
頻度不明
 
眼のチカチカ

42.
その他
5%以上 
体重増加

43.
その他
1〜5%未満 
体重減少、倦怠感、脱力感、発熱、多汗、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム低下、カリウム低下、クロール低下

44.
その他
1%未満 
疲労、ほてり、熱感、灼熱感、背部痛、四肢痛、関節痛、筋痛、頚部痛、肩こり、筋痙縮、悪寒、末梢冷感、性器出血、流産、胸痛、膿瘍、歯ぎしり、睡眠時驚愕、鼻出血、末梢性浮腫、挫傷、気分不良、味覚異常、耳鳴、寝汗、四肢不快感、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、握力低下、転倒、総蛋白上昇、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、ナトリウム上昇、カリウム上昇、クロール上昇

45.
その他
頻度不明
 
低体温、疼痛、顎痛、乳頭痛、乳腺炎、外陰膣乾燥、無オルガズム症、死亡、関節脱臼、歯牙破折、筋攣縮

*:自発報告、海外又は持続性注射アリピプラゾール製剤のみで認められた副作用は頻度不明とした。

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

副作用

副作用等発現状況の概要

統合失調症
国内臨床試験において安全性解析の対象となった743例中、副作用が452例(60.8%)に認められた。主な副作用は、不眠(27.1%)、神経過敏(14.8%)、アカシジア(11.7%)、振戦(手指振戦含む)(10.5%)、不安(9.6%)、体重減少(9.2%)、筋強剛(6.3%)及び食欲不振(6.2%)であった。また、主な臨床検査値の異常変動はCK(CPK)上昇(13.7%)、プロラクチン低下(10.9%)及びALT(GPT)上昇(7.0%)であった。(エビリファイ錠(普通錠)承認時)

双極性感情障害における躁症状の改善
国内臨床試験及び国際共同試験において安全性解析の対象となった192例中(日本人87例を含む)、臨床検査値の異常を含む副作用が144例(日本人71例を含む)(75.0%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(30.2%)、振戦(16.7%)、傾眠(12.5%)、寡動(10.9%)、流涎(10.4%)、不眠(9.9%)、体重増加(9.4%)、悪心(8.9%)、嘔吐(7.8%)及びジストニア(筋緊張異常)(5.2%)であった。(効能追加時)

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内臨床試験において安全性解析の対象となった467例中、臨床検査値の異常を含む副作用が320例(68.5%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(28.1%)、体重増加(10.1%)、振戦(9.4%)、傾眠(9.0%)、不眠(7.3%)、ALT(GPT)上昇(7.1%)、便秘(5.6%)であった。(効能追加時)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内臨床試験において安全性解析の対象となった88例中、臨床検査値の異常を含む副作用が64例(72.7%)に認められた。主な副作用は、傾眠(48.9%)、体重増加(18.2%)、流涎(9.1%)、食欲亢進(9.1%)、悪心(6.8%)、食欲減退(6.8%)、 倦怠感(5.7%)であった。(効能追加時)

重大な副作用

1.
悪性症候群 (0.1%)
※無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。

2.
遅発性ジスキネジア(0.1%)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。

3.
麻痺性イレウス(0.1%)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

4.
アナフィラキシー(頻度不明
)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
横紋筋融解症(0.1%)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

6.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明
)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されているので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 4.、6.」の項参照)

7.
低血糖(頻度不明
)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 5.、6.」の項参照)

8.
痙攣(0.4%)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.
無顆粒球症(頻度不明
)
、白血球減少(0.1%)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10.
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明
)
※抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 12.」の項参照)

11.
肝機能障害(頻度不明
)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.
精神神経系
5%以上 
不眠、神経過敏、不安、傾眠

2.
精神神経系
1〜5%未満 
めまい、頭痛、うつ病、幻覚

3.
精神神経系
1%未満 
リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、自殺企図、攻撃的反応、異常思考、拒食、独語、知覚減退、注意力障害、もやもや感、末梢神経障害、持続勃起、射精障害、勃起不全、失神、感情不安定、錯乱、神経症、妄想、譫妄、躁病反応、精神症状、双極性感情障害、認知症、健忘、嗜眠、睡眠障害、鎮静、舌麻痺、気力低下、激越(不安、焦燥、興奮)、パニック反応、片頭痛、顔面痙攣、錯感覚

4.
精神神経系
頻度不明
 
記憶障害、びくびく感、夢遊症、悪夢、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)

5.
錐体外路症状
5%以上 
アカシジア、振戦、流涎

6.
錐体外路症状
1〜5%未満 
寡動、歩行異常、ジストニア(筋緊張異常)、ジスキネジア、構音障害、筋強剛

7.
錐体外路症状
1%未満 
嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂、パーキンソン症候群、眼球挙上、眼球回転発作

8.
錐体外路症状
頻度不明
 
錐体外路障害、反射亢進

9.
循環器
1〜5%未満 
頻脈、高血圧

10.
循環器
1%未満 
心悸亢進、徐脈、低血圧、起立性低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)

11.
循環器
頻度不明
 
起立血圧異常、狭心症

12.
消化器
1〜5%未満 
便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、食欲亢進

13.
消化器
1%未満 
胃炎、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎、十二指腸炎、消化不良、口内炎、口唇炎、口唇腫脹、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、歯周病

14.
消化器
頻度不明
 
膵炎、歯肉痛、舌障害

15.
血液
1〜5%未満 
赤血球減少、白血球減少、白血球増多、好中球減少、好中球増多、好酸球減少、単球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット値低下

16.
血液
1%未満 
貧血、赤血球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、好酸球増多、単球減少、血小板減少、血小板増多、ヘモグロビン上昇、ヘマトクリット値上昇

17.
内分泌
1〜5%未満 
プロラクチン低下、月経異常

18.
内分泌
1%未満 
プロラクチン上昇

19.
内分泌
頻度不明
 
血中甲状腺刺激ホルモン増加、卵巣障害

20.
肝臓
5%以上 
ALT(GPT)上昇

21.
肝臓
1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇

22.
肝臓
1%未満 
脂肪肝、Al-P低下、LDH低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下

23.
肝臓
頻度不明
 
肝炎、黄疸

24.
腎臓
1〜5%未満 
BUN上昇、BUN低下、蛋白尿、尿沈渣異常

25.
腎臓
1%未満 
クレアチニン上昇、尿糖、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、尿比重上昇、尿比重低下、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少

26.
腎臓
頻度不明
 
ケトン尿

27.
泌尿器
1〜5%未満 
尿潜血

28.
泌尿器
1%未満 
排尿障害、血尿、膀胱炎、尿閉、頻尿、多尿

29.
泌尿器
頻度不明
 
尿失禁症

30.
過敏症
1%未満 
発疹、光線過敏性反応、湿疹、紅斑、そう痒症、酒さ

31.
過敏症
頻度不明
 
血管浮腫、蕁麻疹、薬物過敏症

32.
皮膚
1%未満 
ざ瘡、皮膚炎、皮膚乾燥、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害、脂漏、男性型多毛症

33.
皮膚
頻度不明
 
真菌感染、脱毛

34.
代謝異常
5%以上 
CK(CPK)上昇

35.
代謝異常
1〜5%未満 
口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、リン脂質低下

36.
代謝異常
1%未満 
多飲症、高血糖、水中毒、高尿酸血症、高脂血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、HDL-コレステロール低下、トリグリセライド低下、CK(CPK)低下

37.
代謝異常
頻度不明
 
血中ブドウ糖変動、血中インスリン増加

38.
呼吸器
1%未満 
鼻炎、咽頭炎、気管支炎、気管支痙攣、咽喉頭症状、しゃっくり、鼻乾燥

39.
呼吸器
頻度不明
 
嚥下性肺炎

40.
1%未満 
霧視、眼乾燥、視力障害、調節障害、羞明、眼の異常感、眼痛

41.
頻度不明
 
眼のチカチカ

42.
その他
5%以上 
体重増加

43.
その他
1〜5%未満 
体重減少、倦怠感、脱力感、発熱、多汗、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム低下、カリウム低下、クロール低下

44.
その他
1%未満 
疲労、ほてり、熱感、灼熱感、背部痛、四肢痛、関節痛、筋痛、頚部痛、肩こり、筋痙縮、悪寒、末梢冷感、性器出血、流産、胸痛、膿瘍、歯ぎしり、睡眠時驚愕、鼻出血、末梢性浮腫、挫傷、気分不良、味覚異常、耳鳴、寝汗、四肢不快感、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、握力低下、転倒、総蛋白上昇、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、ナトリウム上昇、カリウム上昇、クロール上昇

45.
その他
頻度不明
 
低体温、疼痛、顎痛、乳頭痛、乳腺炎、外陰膣乾燥、無オルガズム症、死亡、関節脱臼、歯牙破折、筋攣縮

*:自発報告、海外又は持続性注射アリピプラゾール製剤のみで認められた副作用は頻度不明とした。

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

副作用

副作用等発現状況の概要

統合失調症
国内臨床試験において安全性解析の対象となった743例中、副作用が452例(60.8%)に認められた。主な副作用は、不眠(27.1%)、神経過敏(14.8%)、アカシジア(11.7%)、振戦(手指振戦含む)(10.5%)、不安(9.6%)、体重減少(9.2%)、筋強剛(6.3%)及び食欲不振(6.2%)であった。また、主な臨床検査値の異常変動はCK(CPK)上昇(13.7%)、プロラクチン低下(10.9%)及びALT(GPT)上昇(7.0%)であった。(エビリファイ錠(普通錠)承認時)

双極性感情障害における躁症状の改善
国内臨床試験及び国際共同試験において安全性解析の対象となった192例中(日本人87例を含む)、臨床検査値の異常を含む副作用が144例(日本人71例を含む)(75.0%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(30.2%)、振戦(16.7%)、傾眠(12.5%)、寡動(10.9%)、流涎(10.4%)、不眠(9.9%)、体重増加(9.4%)、悪心(8.9%)、嘔吐(7.8%)及びジストニア(筋緊張異常)(5.2%)であった。(効能追加時)

うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
国内臨床試験において安全性解析の対象となった467例中、臨床検査値の異常を含む副作用が320例(68.5%)に認められた。主な副作用は、アカシジア(28.1%)、体重増加(10.1%)、振戦(9.4%)、傾眠(9.0%)、不眠(7.3%)、ALT(GPT)上昇(7.1%)、便秘(5.6%)であった。(効能追加時)

小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
国内臨床試験において安全性解析の対象となった88例中、臨床検査値の異常を含む副作用が64例(72.7%)に認められた。主な副作用は、傾眠(48.9%)、体重増加(18.2%)、流涎(9.1%)、食欲亢進(9.1%)、悪心(6.8%)、食欲減退(6.8%)、 倦怠感(5.7%)であった。(効能追加時)

重大な副作用

1.
悪性症候群 (0.1%)
※無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。

2.
遅発性ジスキネジア(0.1%)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。

3.
麻痺性イレウス(0.1%)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

4.
アナフィラキシー(頻度不明
)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
横紋筋融解症(0.1%)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

6.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明
)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されているので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 4.、6.」の項参照)

7.
低血糖(頻度不明
)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 5.、6.」の項参照)

8.
痙攣(0.4%)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.
無顆粒球症(頻度不明
)
、白血球減少(0.1%)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10.
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明
)
※抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 12.」の項参照)

11.
肝機能障害(頻度不明
)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.
精神神経系
5%以上 
不眠、神経過敏、不安、傾眠

2.
精神神経系
1〜5%未満 
めまい、頭痛、うつ病、幻覚

3.
精神神経系
1%未満 
リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、自殺企図、攻撃的反応、異常思考、拒食、独語、知覚減退、注意力障害、もやもや感、末梢神経障害、持続勃起、射精障害、勃起不全、失神、感情不安定、錯乱、神経症、妄想、譫妄、躁病反応、精神症状、双極性感情障害、認知症、健忘、嗜眠、睡眠障害、鎮静、舌麻痺、気力低下、激越(不安、焦燥、興奮)、パニック反応、片頭痛、顔面痙攣、錯感覚

4.
精神神経系
頻度不明
 
記憶障害、びくびく感、夢遊症、悪夢、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)

5.
錐体外路症状
5%以上 
アカシジア、振戦、流涎

6.
錐体外路症状
1〜5%未満 
寡動、歩行異常、ジストニア(筋緊張異常)、ジスキネジア、構音障害、筋強剛

7.
錐体外路症状
1%未満 
嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂、パーキンソン症候群、眼球挙上、眼球回転発作

8.
錐体外路症状
頻度不明
 
錐体外路障害、反射亢進

9.
循環器
1〜5%未満 
頻脈、高血圧

10.
循環器
1%未満 
心悸亢進、徐脈、低血圧、起立性低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)

11.
循環器
頻度不明
 
起立血圧異常、狭心症

12.
消化器
1〜5%未満 
便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、食欲亢進

13.
消化器
1%未満 
胃炎、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎、十二指腸炎、消化不良、口内炎、口唇炎、口唇腫脹、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、歯周病

14.
消化器
頻度不明
 
膵炎、歯肉痛、舌障害

15.
血液
1〜5%未満 
赤血球減少、白血球減少、白血球増多、好中球減少、好中球増多、好酸球減少、単球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット値低下

16.
血液
1%未満 
貧血、赤血球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、好酸球増多、単球減少、血小板減少、血小板増多、ヘモグロビン上昇、ヘマトクリット値上昇

17.
内分泌
1〜5%未満 
プロラクチン低下、月経異常

18.
内分泌
1%未満 
プロラクチン上昇

19.
内分泌
頻度不明
 
血中甲状腺刺激ホルモン増加、卵巣障害

20.
肝臓
5%以上 
ALT(GPT)上昇

21.
肝臓
1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇

22.
肝臓
1%未満 
脂肪肝、Al-P低下、LDH低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下

23.
肝臓
頻度不明
 
肝炎、黄疸

24.
腎臓
1〜5%未満 
BUN上昇、BUN低下、蛋白尿、尿沈渣異常

25.
腎臓
1%未満 
クレアチニン上昇、尿糖、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、尿比重上昇、尿比重低下、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少

26.
腎臓
頻度不明
 
ケトン尿

27.
泌尿器
1〜5%未満 
尿潜血

28.
泌尿器
1%未満 
排尿障害、血尿、膀胱炎、尿閉、頻尿、多尿

29.
泌尿器
頻度不明
 
尿失禁症

30.
過敏症
1%未満 
発疹、光線過敏性反応、湿疹、紅斑、そう痒症、酒さ

31.
過敏症
頻度不明
 
血管浮腫、蕁麻疹、薬物過敏症

32.
皮膚
1%未満 
ざ瘡、皮膚炎、皮膚乾燥、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害、脂漏、男性型多毛症

33.
皮膚
頻度不明
 
真菌感染、脱毛

34.
代謝異常
5%以上 
CK(CPK)上昇

35.
代謝異常
1〜5%未満 
口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、リン脂質低下

36.
代謝異常
1%未満 
多飲症、高血糖、水中毒、高尿酸血症、高脂血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、HDL-コレステロール低下、トリグリセライド低下、CK(CPK)低下

37.
代謝異常
頻度不明
 
血中ブドウ糖変動、血中インスリン増加

38.
呼吸器
1%未満 
鼻炎、咽頭炎、気管支炎、気管支痙攣、咽喉頭症状、しゃっくり、鼻乾燥

39.
呼吸器
頻度不明
 
嚥下性肺炎

40.
1%未満 
霧視、眼乾燥、視力障害、調節障害、羞明、眼の異常感、眼痛

41.
頻度不明
 
眼のチカチカ

42.
その他
5%以上 
体重増加

43.
その他
1〜5%未満 
体重減少、倦怠感、脱力感、発熱、多汗、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム低下、カリウム低下、クロール低下

44.
その他
1%未満 
疲労、ほてり、熱感、灼熱感、背部痛、四肢痛、関節痛、筋痛、頚部痛、肩こり、筋痙縮、悪寒、末梢冷感、性器出血、流産、胸痛、膿瘍、歯ぎしり、睡眠時驚愕、鼻出血、末梢性浮腫、挫傷、気分不良、味覚異常、耳鳴、寝汗、四肢不快感、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、握力低下、転倒、総蛋白上昇、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、ナトリウム上昇、カリウム上昇、クロール上昇

45.
その他
頻度不明
 
低体温、疼痛、顎痛、乳頭痛、乳腺炎、外陰膣乾燥、無オルガズム症、死亡、関節脱臼、歯牙破折、筋攣縮

*:自発報告、海外又は持続性注射アリピプラゾール製剤のみで認められた副作用は頻度不明とした。

一般的名称: アリピプラゾール水和物 Aripiprazole Hydrate;

副作用

副作用等発現状況の概要

国際共同実薬対照二重盲検試験において、本剤を投与された228例中(国内症例118例を含む)、副作用が130例(国内症例79例を含む)(57.0%)に認められた。主な副作用は、注射部位疼痛(27.2%)、注射部位紅斑(14.5%)、注射部位硬結(11.0%)、注射部位腫脹(6.6%)、体重増加(6.6%)、アカシジア(6.6%)であった。

重大な副作用

1.
悪性症候群(頻度不明)
※無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。

2.
遅発性ジスキネジア(頻度不明)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。

3.
麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

4.
アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
横紋筋融解症(頻度不明)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

6.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 4.、6.」の項参照)

7.
低血糖(0.4%)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 5.、6.」の項参照)

8.
痙攣(頻度不明)
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.
無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10.
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明)
※抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「
重要な基本的注意 11.」の項参照)

11.
肝機能障害(1.3%)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

*:国際共同実薬対照二重盲検試験以外の国内外臨床試験又は経口アリピプラゾール製剤において認められた副作用は頻度不明とした。

その他の副作用

1.
精神神経系
1〜5%未満 
不眠、めまい、傾眠、頭痛、不安

2.
精神神経系
1%未満 
睡眠障害、うつ病、異常思考、躁病反応、神経過敏、錯乱、夢遊症、知覚減退、妄想、注意力障害、自殺企図、幻覚

3.
精神神経系
頻度不明 
精神症状、悪夢、双極性感情障害、リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、錯感覚、鎮静、攻撃的反応、拒食、独語、もやもや感、感情不安定、激越(不安、焦燥、興奮)、末梢神経障害、失神、神経症、譫妄、認知症、健忘、記憶障害、舌麻痺、片頭痛、顔面痙攣、勃起不全、持続勃起、射精障害、嗜眠、気力低下、パニック反応、びくびく感、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)

4.
錐体外路症状
5%以上 
アカシジア

5.
錐体外路症状
1〜5%未満 
ジスキネジア、ジストニア(筋緊張異常)、振戦、寡動、筋強剛、歩行異常、流涎

6.
錐体外路症状
1%未満 
眼球回転発作、眼球挙上、パーキンソン症候群

7.
錐体外路症状
頻度不明 
錐体外路障害、構音障害、反射亢進、嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂

8.
循環器
1%未満 
高血圧

9.
循環器
頻度不明 
低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)、頻脈、心悸亢進、起立血圧異常、起立性低血圧、狭心症、徐脈

10.
消化器
1〜5%未満 
悪心、下痢

11.
消化器
1%未満 
便秘、嘔吐、食欲不振

12.
消化器
頻度不明 
腹痛、食欲亢進、胃炎、口内炎、歯肉痛、舌障害、口唇炎、消化不良、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎���十二指腸炎、口唇腫脹、歯周病、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、膵炎

13.
血液
1%未満 
血小板減少、白血球増多

14.
血液
頻度不明 
ヘモグロビン低下、ヘモグロビン上昇、好中球減少、好中球増多、赤血球減少、赤血球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘマトクリット値低下、ヘマトクリット値上昇、単球減少、単球増多、好酸球減少、好酸球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、血小板増多、貧血、白血球減少

15.
内分泌
1〜5%未満 
血中甲状腺刺激ホルモン増加

16.
内分泌
1%未満 
卵巣障害

17.
内分泌
頻度不明 
プロラクチン低下、プロラクチン上昇、月経異常

18.
肝臓
1%未満 
ALT(GPT)上昇

19.
肝臓
頻度不明 
AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、LDH低下、Al-P上昇、Al-P低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下、脂肪肝、肝炎、黄疸

20.
腎臓
1%未満 
ケトン尿、尿糖

21.
腎臓
頻度不明 
蛋白尿、尿沈渣異常、BUN上昇、BUN低下、クレアチニン上昇、尿比重上昇、尿比重低下、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少

22.
泌尿器
頻度不明 
尿潜血、排尿障害、頻尿、膀胱炎、血尿、多尿、尿閉、尿失禁症

23.
過敏症
1%未満 
発疹

24.
過敏症
頻度不明 
湿疹、
そう痒症、薬物過敏症、紅斑、光線過敏性反応、酒さ、血管浮腫、蕁麻疹

25.
皮膚
1%未満 
皮膚炎

26.
皮膚
頻度不明 
真菌感染、皮膚乾燥、ざ瘡、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害、脂漏、男性型多毛症、脱毛

27.
代謝異常
1〜5%未満 
血中インスリン増加、高血糖

28.
代謝異常
1%未満 
高尿酸血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、CK(CPK)上昇、HDL-コレステロール低下

29.
代謝異常
頻度不明 
口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、高脂血症、リン脂質低下、多飲症、CK(CPK)低下、水中毒、トリグリセライド低下、血中ブドウ糖変動

30.
呼吸器
頻度不明 
鼻炎、気管支痙攣、気管支炎、咽喉頭症状、咽頭炎、しゃっくり、鼻乾燥、嚥下性肺炎

31.
頻度不明 
霧視、視力障害、調節障害、羞明、眼乾燥、眼の異常感、眼痛、眼のチカチカ

32.
注射部位
5%以上 
注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位硬結、注射部位腫脹

33.
注射部位
1%未満 
注射部位
そう痒感、注射部位不快感

34.
その他
5%以上 
体重増加

35.
その他
1〜5%未満 
疲労、体重減少

36.
その他
1%未満 
筋痙縮、末梢性浮腫、カリウム低下、顎痛、性器出血、乳頭痛、熱感、死亡、転倒、関節脱臼、歯牙破折

37.
その他
頻度不明 
倦怠感、発熱、脱力感、胸痛、悪寒、気分不良、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、低体温、疼痛、多汗、寝汗、肩こり、四肢痛、筋痛、筋攣縮、四肢不快感、背部痛、関節痛、頚部痛、ほてり、末梢冷感、乳腺炎、膿瘍、外陰膣乾燥、流産、味覚異常、灼熱感、睡眠時驚愕、歯ぎしり、無オルガズム症、耳鳴、鼻出血、挫傷、総蛋白上昇、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム上昇、ナトリウム低下、クロール上昇、クロール低下、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、カリウム上昇、握力低下

*:国際共同実薬対照二重盲検試験以外の国内外臨床試験又は経口アリピプラゾール製剤において認められた副作用は頻度不明とした。

注意事項

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

(エビリファイ錠 PTP包装品:アルミピロー開封後は高温・高湿を避けて保存すること。)

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

(エビリファイ錠 プラスチックボトル包装品:使用の都度キャップをしっかり締めること。)

(エビリファイ錠 PTP包装品:アルミピロー開封後は高温・高湿を避けて保存すること。)

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

(エビリファイ錠 プラスチックボトル包装品:使用の都度キャップをしっかり締めること。)

(エビリファイ錠 PTP包装品:アルミピロー開封後は高温・高湿を避けて保存すること。)

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

(エビリファイ錠 プラスチックボトル包装品:使用の都度キャップをしっかり締めること。)

(エビリファイ錠 PTP包装品:アルミピロー開封後は高温・高湿を避けて保存すること。)

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

2.
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]

3.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

4.
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](〔
警告〕の項、「
重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]

6.
脳の器質的障害のある患者[精神症状を増悪させることがある。]

7.
衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]

8.
高齢者(「
高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

2.
統合失調症の場合、興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

前治療薬からの切り替えの際には前治療薬の用量を徐々に減らしつつ、本剤の投与を行うことが望ましい。

3.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、急性に不安、焦燥、興奮の症状を呈している患者に対し、本剤投与にて十分な効果が得られない場合には、鎮静剤の投与等、他の対処方法も考慮すること。

4.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「
副作用 重大な副作用 7.低血糖」の項参照)

6.
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7.低血糖」の項参照)

7.
※原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8.
うつ病・うつ状態を有する患者に本剤を投与する場合、以下の点に注意すること。

(1)
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

(2)
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。

(3)
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。

(4)
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

9.
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

10.
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

11.
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

12.
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「
副作用 重大な副作用 10.肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、本剤の臨床試験において流産の報告がある。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトで乳汁移行が認められている
。]

小児等への投与

1.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

2.
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合、低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

薬剤交付時:以下の点に注意するよう指導すること。

(1)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

(2)
小児の手の届かない所に保管すること。

その他の注意

1.
本剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。

2.
げっ歯類(マウス、ラット)の癌原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットの癌原性試験において、60mg/kg/日(最高臨床推奨用量の100倍に相当)の雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。

3.
サルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間〜52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。

4.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、本剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、本剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56〜99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

5.
海外で実施されたうつ病エピソード等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

貯法・使用期限等

貯法

室温保存(吸湿性を有するためブリスター包装のまま保存すること)

使用期限

製造後3年 (外箱等に表示)

注意

自動分包機には適さない(通常の錠剤に比べてやわらかい)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存(吸湿性を有するためブリスター包装のまま保存すること)

使用期限

製造後3年 (外箱等に表示)

注意

自動分包機には適さない(通常の錠剤に比べてやわらかい)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存(吸湿性を有するためブリスター包装のまま保存すること)

使用期限

製造後3年 (外箱等に表示)

注意

自動分包機には適さない(通常の錠剤に比べてやわらかい)

貯法・使用期限等

貯法

室温保存(吸湿性を有するためブリスター包装のまま保存すること)

使用期限

製造後3年 (外箱等に表示)

注意

自動分包機には適さない(通常の錠剤に比べてやわらかい)

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

2.
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]

3.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

4.
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](〔
警告〕の項、「
重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]

6.
脳の器質的障害のある患者[精神症状を増悪させることがある。]

7.
衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]

8.
高齢者(「
高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

2.
統合失調症の場合、興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

前治療薬からの切り替えの際には前治療薬の用量を徐々に減らしつつ、本剤の投与を行うことが望ましい。

3.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、急性に不安、焦燥、興奮の症状を呈している患者に対し、本剤投与にて十分な効果が得られない場合には、鎮静剤の投与等、他の対処方法も考慮すること。

4.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「
副作用 重大な副作用 7.低血糖」の項参照)

6.
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7.低血糖」の項参照)

7.
※原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8.
うつ病・うつ状態を有する患者に本剤を投与する場合、以下の点に注意すること。

(1)
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

(2)
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。

(3)
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。

(4)
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

9.
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

10.
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

11.
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

12.
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「
副作用 重大な副作用 10.肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、本剤の臨床試験において流産の報告がある。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトで乳汁移行が認められている
。]

小児等への投与

1.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

2.
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合、低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

薬剤交付時:以下の点に注意するよう指導すること。

(1)
ブリスターシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

(2)
ブリスターシートから取り出す際には、裏面のシートを剥がした後、ゆっくりと指の腹で押し出すこと。欠けや割れが生じた場合は全量服用すること。[通常の錠剤に比べてやわらかいため、シートを剥がさずに押し出そうとすると割れることがある。]

(3)
吸湿性を有するため、使用直前に乾いた手でブリスターシートから取り出し、直ちに口中に入れること。

(4)
寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。

(5)
小児の手の届かない所に保管すること。

その他の注意

1.
本剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。

2.
げっ歯類(マウス、ラット)の癌原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットの癌原性試験において、60mg/kg/日(最高臨床推奨用量の100倍に相当)の雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。

3.
サルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間〜52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。

4.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、本剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、本剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56〜99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

5.
海外で実施されたうつ病エピソード等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した

一般的名称: アリピプラゾール Aripiprazole;

貯法・使用期限等

貯法

遮光・室温保存

使用期限

外箱等に表示

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

2.
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]

3.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

4.
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](〔
警告〕の項、「
重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]

6.
脳の器質的障害のある患者[精神症状を増悪させることがある。]

7.
衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]

8.
高齢者(「
高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

2.
統合失調症の場合、興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

前治療薬からの切り替えの際には前治療薬の用量を徐々に減らしつつ、本剤の投与を行うことが望ましい。

3.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、急性に不安、焦燥、興奮の症状を呈している患者に対し、本剤投与にて十分な効果が得られない場合には、鎮静剤の投与等、他の対処方法も考慮すること。

4.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「
副作用 重大な副作用 7.低血糖」の項参照)

6.
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(〔
警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7.低血糖」の項参照)

7.
※原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8.
うつ病・うつ状態を有する患者に本剤を投与する場合、以下の点に注意すること。

(1)
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

(2)
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。

(3)
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。

(4)
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

9.
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

10.
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

11.
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

12.
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「
副作用 重大な副作用 10.肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、本剤の臨床試験において流産の報告がある。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトで乳汁移行が認められている
。]

小児等への投与

1.
統合失調症、双極性感情障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の場合、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

2.
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の場合、低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

1.
投与経路
内服用にのみ使用させること。

2.
薬剤交付時:以下の点に注意するよう指導すること。
●分包品においては、包装のまま服用しないこと。

●小児の手の届かない所に保管すること。

3.
配合変化

●煮沸していない水道水は、塩素の影響により混合すると含量が低下するので混合しないこと。

●下記との混合により、混濁、沈殿や含量低下を認めたことから、混合は避けること。

1)
催眠鎮静薬のフェノバールエリキシル(フェノバルビタール)、トリクロリールシロップ(トリクロホスナトリウム)、抗精神病薬のニューレプチル内服液(プロペリシアジン)、抗てんかん薬のザロンチンシロップ(エトスクシミド)、デパケンシロップ(バルプロ酸ナトリウム)及び抗アレルギー性精神安定薬のアタラックス-Pシロップ(ヒドロキシジン)

2)
茶葉由来飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶、玄米茶等)及び味噌汁

●一部のミネラルウォーター(硬度の高いものなど)は、混合すると混濁を生じ、含量が低下することがあるので、濁りが生じた場合は服用しないこと。

その他の注意

1.
本剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。

2.
げっ歯類(マウス、ラット)の癌原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットの癌原性試験において、60mg/kg/日(最高臨床推奨用量の100倍に相当)の雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。

3.
サルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間〜52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。

4.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、本剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、本剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56〜99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

5.
海外で実施されたうつ病エピソード等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した

一般的名称: アリピプラゾール水和物 Aripiprazole Hydrate;

貯法・使用期限等

貯法

遮光・室温保存

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

貯法・使用期限等

貯法

遮光・室温保存

使用期限

製造後3年(外箱等に表示)

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

2.
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]

3.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

4.
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](
〔警告〕の項、「
重要な基本的注意 4.、6.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]

6.
高齢者(「
高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
本剤は持続性製剤であり、
精神症状の再発及び再燃の予防を目的とする製剤であることから、
急性期の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと。また、本剤投与にあたっては以下の点に留意すること。

(1)
一度投与すると
直ちに薬物を体外に排除する方法がないため、予め本剤投与の必要性について十分に検討し、
副作用の予防、副作用発現時の処置、過量投与等について十分留意すること。(
《用法・用量に関連する使用上の注意》の項、「
副作用」の項及び「
過量投与」の項参照)

(2)
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がない場合には、まず経口アリピプラゾール製剤を投与し、忍容性を確認した後、本剤を投与すること。

(3)
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がある場合であっても、現在、経口アリピプラゾール製剤以外の抗精神病薬を使用している患者では、原則として、経口アリピプラゾール製剤に切り替え、症状が安定した後に本剤を投与すること。

2.
興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

3.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

4.
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(
〔警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

5.
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「
副作用 重大な副作用 7.低血糖」の項参照)

6.
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう、指導すること。(
〔警告〕の項、「
慎重投与 4.」の項及び「
副作用 重大な副作用 6.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7.低血糖」の項参照)

7.
※原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

8.
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

9.
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

10.
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

11.
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「
副作用 重大な副作用 10.肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、経口アリピプラゾール製剤の臨床試験において流産の報告がある。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[経口アリピプラゾール製剤においてヒトで乳汁移行が認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

1.
調製時

(1)
本剤の使用にあたっては、
〔取扱い方法〕を熟読すること。

(2)
用時調製し、懸濁液が均質になるように20秒間激しく振とうし、懸濁させること。

(3)
調製後直ちに投与すること。やむを得ず直ちに投与できない場合は、室温で保存し、2時間以内に投与すること。ただし、その場合は投与前に20秒間激しく振とうし、再懸濁させること。

2.
投与時

(1)
以下の表に従った注射針を用いること。

(2)
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。

1)
注射部位は、臀部の外側上部又は三角筋のみとし、他の筋肉内には投与しないこと。

2)
注射部位は毎回左右交互とし、同一部位への反復注射は行わないこと。

3)
懸濁後の薬剤は、1回で全量を投与すること。

4)
注射部位に 疼痛、硬結等をみることがある。

5)
注射部位をもまないように患者に指示すること。

その他の注意

1.
本剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。

2.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、経口アリピプラゾール製剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、経口アリピプラゾール製剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56〜99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

3.
げっ歯類(マウス、ラット)の経口投与による癌原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットの癌原性試験において、60mg/kg/日(経口アリピプラゾール製剤の最高臨床推奨用量の100倍に相当)雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。

4.
サルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間〜52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。

相互作用

相互作用

相互作用の概略

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2D6で代謝される。(
〔薬物動態〕の項参照)

併用注意

(併用に注意すること)

1.
薬剤名等中枢神経抑制剤

 バルビツール酸誘導体、麻酔剤等

臨床症状・措置方法
中枢神経抑制作用があるので、減量するなど注意すること。

機序・危険因子
ともに中枢神経抑制作用を有する。

2.
薬剤名等降圧剤

臨床症状・措置方法
相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子
ともに降圧作用を有する。

3.
薬剤名等抗コリン作用を有する薬剤

臨床症状・措置方法
抗コリン作用を増強させることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子
ともに抗コリン作用を有する。

4.
薬剤名等ドパミン作動薬

 レボドパ製剤

臨床症状・措置方法
ドパミン作動作用を減弱するおそれがあるので、投与量を調整するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子
本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。

5.
薬剤名等アルコール

(飲酒)

臨床症状・措置方法
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。

機序・危険因子
ともに中枢神経抑制作用を有する。

6.
薬剤名等CYP2D6阻害作用を有する薬剤

 キニジン、パロキセチン等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。


《用法・用量に関連する使用上の注意》の項参照)

機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP2D6を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。


〔薬物動態〕の項参照)

7.
薬剤名等CYP3A4阻害作用を有する薬剤

 イトラコナゾール、クラリスロマイシン等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。


《用法・用量に関連する使用上の注意》の項参照)

機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。


〔薬物動態〕の項参照)

8.
薬剤名等肝代謝酵素(特にCYP3A4)誘導作用を有する薬剤

 カルバマゼピン、リファンピシン等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある。


〔薬物動態〕の項参照)