アマチャヅルは、高麗人蔘にしか含まれていないとされていたジンセノシドというサポニンの内4種類が含まれているハーブですが、高糖尿病効果は高麗人参よりも強力である可能性が示唆されています。それ以外の効果については高麗人参ほど研究が進んでいませんが、コレステロール、肝臓の保護、抗肥満作用、抗腫瘍作用などが示唆されています。比較的安全とされていますが、副作用や相互作用に十分に注意が必要です。

概要

重要な効果・情報

アマチャヅル(甘茶蔓、コウコラン(絞股藍)、Gynostemma pentaphyllum)は、高麗人参の安価な代替品としても使用されてきたウリ科に属する多年生のツル性の植物です。以前は高麗人参にしか含まれていないとされていたジンセノシドというサポニンの11種類のうちの4種がアマチャヅルのギペノシドと呼ばれるサポニンと共通しており、アマチャヅルと高麗人参の生物学的活性は非常に似ていることから「南部人参」などと呼ばれることもあります。

血糖値を下げる抗糖尿病作用が科学的に示されている他に、コレステロールの抑制や肝臓の保護、抗肥満作用なども示唆されています。アマチャヅルから作られたお茶は、標準的な抗糖尿病治療と一緒に使用でき、時間の経過とともに効能が増強することを示す2つのヒトの研究があり、糖尿病の補助療法としてよく利用されています。糖尿病への作用はAMPKの活性化とPTP1Bの阻害によるものと考えられていますが、詳しくは分かっていません。主に抗酸化酵素を誘導し細胞を酸化的ストレスから保護することでこのような効果が現れたと考えられています。低用量の事前の服用や定期的な服用が強い予防作用を示す一方で、急性の服用やリハビリのための服用はあまり効果がないとする研究も存在します。そのため、アマチャヅルの服用は、リハビリや治療よりも予防に役立つ可能性があります。

また、アマチャヅルは、アンチエイジングや長寿の効果が宣伝されていますが、このような主張を裏付ける科学的なエビデンスはありません。加えて、抗癌効果はまだ研究の初期段階にありますが、含有する化合物がp53という腫瘍抑制遺伝子を誘導する可能性が示唆されています。アマチャヅルは朝鮮人参よりも強い抗糖尿病効果が示唆されていますが、朝鮮人参に見られる適応促進作用、向知性作用、抗疲労作用などの点については、アマチャヅルでは十分に科学的に評価されていないため、更なる研究による検証が期待されます。

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(中)

  • 糖尿病(糖尿):  初期の研究では、1日2回、4週間飲用することで、空腹時血糖値が低下し、糖尿病患者のインスリンのどの程度敏感に反応するかが改善されています。インスリン

エビデンス不足

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
血糖値 中程度 非常に高い 2件の研究結果を見る
アマチャヅルのお茶や根を服用した糖尿病患者の血糖値の低下が示されており、他のサプリメントよりも強いようです。現在のところ健康な人での研究は行われていません。
HbA1c 中程度 非常に高い 2件の研究結果を見る
糖尿病患者の予備的エビデンスによれば、強力なHbA1c低下効果があり、2,3ヶ月間6gの根を摂取すると2%のHbA1cの低下が見られました。
インスリン感受性 中程度 非常に高い 2件の研究結果を見る
糖尿病患者のインスリン感受性の顕著な改善が見られました。現時点では健康な人での研究はありません。
インスリン 小さい 研究結果を見る
糖尿病患者が補給することで、空腹時インスリンの減少が認められました。
肝臓酵素 小さい 研究結果を見る
アマチャヅルの摂取による脂肪肝のバイオマーカーの肝酵素が減少しました。
重量 小さい 研究結果を見る
長期的なアマチャヅルの摂取は、糖尿病患者の脂肪量および体重を減少させるようです。健康な人の研究はまだありません。
HDL-C 研究結果を見る
アマチャヅルの摂取はHDLに有意な影響を与えないようです。
LDL-C 研究結果を見る
アマチャヅルの摂取はLDLに有意な影響を与えないようです。
トリグリセリド 研究結果を見る
アマチャヅルの摂取はトリグリセリドに有意な影響を与えないようです。
尿酸 研究結果を見る
アマチャヅルの摂取は尿酸に有意な影響を与えないようです。

 

副作用

副作用と安全性

アマチャヅルの短期間(4ヶ月まで)の経口服用は安全とされています。 一部の人は、重度の吐き気や腸の動きの増加などの副作用を経験する可能性があります。

注意と警告

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妊娠と授乳: アマチャヅルは、妊娠中に経口服用すると安全ではない可能性があります。アマチャヅルに含有される化合物には、先天性欠損を引き起こす可能性があります。授乳中の安全性については、十分な信頼できる情報はありません。安全のため使用を控えましょう。

多発性硬化症(MS)、狼瘡(全身性エリテマトーデス、SLE)、関節リウマチ(RA)、などの「自己免疫疾患」: アマチャヅルは免疫系をより活性化し、自己免疫疾患の症状を悪化させる可能性があります。 自己免疫疾患を患っている場合は、十分な白に出来る情報が得られるまで使用を控えることをおすすめ致します。

出血性疾患: アマチャヅルは血液凝固を遅らせ、 出血性疾患を悪化させる可能性があります。

糖尿病: 糖尿病の人がインスリンや投薬で血糖をコントロールしている場合は、アマチャヅルを摂取することで血糖値が低くなりすぎる可能性があります。 糖尿病の場合は注意して使用してください。

手術: アマチャヅルは血液凝固を遅らせる可能性があります。 手術中や手術後の出血のリスクが高まる可能性があります。 手術予定日の少なくとも2週間前にアマチャヅルの使用を中止してください。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • 免疫抑制剤:アマチャヅルは免疫系を活性化します。 免疫系を低下させる薬の有効性が低下する可能性があります。免疫系を低下させる薬には、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸、タクロリムス、シロリムス、プレドニゾン、コルチコステロイドなどがあります
  • 抗凝血薬:アマチャヅルは血液凝固を遅らせる可能性があります。血液凝固を遅らせる薬には、アスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリンなどがあります。

その他の名称

  • コウコラン(絞股藍)、南部人参、Gynostemma pentaphyllum

注意点

  • P450酵素に関連している可能性があります。

分類カテゴリー

良い組み合わせ

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

アマチャヅルの葉を乾燥重量で6g使用した実験で、糖尿病への作用が示されました。葉に活性成分のサポニンやフラボノイドが豊富に含まれています。あるいは、朝鮮人参ジンセノシドというサポニンの11種類のうちの4種がアマチャヅルのギペノシドと類似しているため、アルカロイドとして同程度の活性持つと仮定した場合に、100~500mgのギペノシドが効果を検証する上で基準となる可能性があります。成人の高コレステロール血症を検証した研究では10mgのアマチャヅルのエキスを1日3回服用しています。

科学的根拠・参考文献