1,3- DMAA(1,3-ジメチルアミルアミン)は、運動前の刺激剤として使用されているエフェドリンやアドレナリンと類似の構造を持つ神経性刺激薬です。様々な主張がありますが、科学的なエビデンスは十分ではなく、ドーピング薬に指定されていたり、関連する可能性のある重篤な副作用や死亡が報告されており、注意が必要です。

概要

重要な効果・情報

DMAAは、カフェインやその他の良く知られている刺激剤と同様に急速なエネルギーのスパイクを引き起こす神経刺激剤ですが、脳内でのメカニズムは異なっていると考えられています。当初は「ゲルマニウムオイルエキス」として鼻詰まりの薬として導入されていましたが、最近では神経性刺激剤やパーティーピルとして使用されています。その他、ADHD、減量、ボディビルディング、競技能力の向上のために摂取されていますが、これらの効果をサポートするエビデンスは不十分です。アンフェタミンとの構造的類似性のため、アンフェタミンの薬物検査で偽陽性反応が出ますし、2010年からWorld Anti-Doping Agencyの禁止薬物にリストされていますので、競技に参加するアスリートは服用してはいけません。また、海外の製品で植物から抽出したことを標榜するものがありますが、調査の結果人工的に添加された可能性が高いという報告もありますので、注意が必要です。DMAAの摂取については、プソイドエフェドリン、エフェドリンなどのうっ血除去薬に類似した覚醒剤効果をもつと考えられており、販売業者などによって、エフェドリンのよりも安全な代替品であると主張されていますが、これを支持する科学的情報は提供されておらず、広範な研究が行われていないため、副作用や相互作用を始めとする未知のリスクが大きい点にも注意が必要です。

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

 

レベル 研究の質と量

? 信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

? ���頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

? それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

? 科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
血圧 中程度 研究結果を見る
1,3- DMAAによる血圧の上昇は、かなり顕著で、カフェインと組み合わせて75mgを服用することで、収縮期血圧(上の血圧)を20%ほど増加させます。
心拍数 研究結果を見る
血圧が上昇するにもかかわらず、DMAAの補給による心拍数への有意な影響は見られませんでした。

 

副作用

ジメチルアミンの服用は安全でない可能性が高いです。精神刺激剤として作用し、急速な血圧の上昇、心拍の上昇、心臓発作または脳卒中のリスクの増加などの重篤な副作用の可能性を高める危険性が懸念されます。

脳卒中、乳酸アシドーシス、心臓発作、肝臓傷害、およびジメチルアミルアミンを摂取した人の死亡などの危険な副作用に関する報告がいくつかありました。

特別な注意と警告:
妊娠および授乳:妊娠および授乳中のジメチルアミルアミンの使用についての十分な情報はありません。安全のため、使用を控えましょう。

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高血圧:ジメチルアミルアミンは精神刺激剤として作用し、血圧を上昇させる可能性があります。高血圧がある場合は、ジメチルアミルアミンを服用しないでください。

緑内障:ジメチルアミンは刺激作用を有し、血管を収縮させる可能性があるため、いくつかのタイプの緑内障を悪化させる可能性があります。緑内障の場合は、ジメチルアミンを服用しないでください。

不規則な心拍(不整脈):ジメチルアミルアミンは刺激作用を有し、急速な心拍を引き起こす可能性があるため、心臓の不整脈を悪化させる可能性があります。

手術:ジメチルアミルアミンは精神刺激作用を持つ可能性があるため、心拍数や血圧を上げて手術を妨げる可能性があります。手術の少なくとも2週間前にはジメチルアミンの服用を中断してください。

注意事項

その他の名称

  • DMAA、ジメチルアミルアミン、1,3-DMAA、ゲラナミン、メチルヘキサンアミン、1,3-ジメチルペンチルアミン、フォルタン

混同しやすいもの

  • DMAEDHEA 、メマンチン(同じ頭字語、異なる化合物)

注意点

  • DMAAは強力な刺激作用があります。

分類カテゴリー

確認事項

  • DMAAは、尿検査でアンフェタミンの偽陽性反応が検出される可能性があります。
  • 世界アンチ・ドーピング機関ではメチルヘキサンアミンを禁止リスト加え、米軍では1,3- DMAAの使用は制限されています。オーストラリア政府はDMAAをSchedule 9物質(2012)に分類し、その販売を禁じています。
  • 効果副作用.com 免責事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

典型的な1,3-DMAAの開始用量は10-20mgの範囲で、最終的には1日に40-60mgに達しますが、この用量を支持するエビデンスはありません。1,3-DMAAは、アンフェタミン様の性質を持つため様々なスポーツ団体によって禁止されています。検査があるアスリートは使用しないでください。

 

科学的根拠・参考文献