ブロメラインはパイナップルから抽出された複数の酵素です。抗炎症作用、鎮痛作用、消化の改善、抗腫瘍作用、抗肥満作用などを持つ可能性がありますが、科学的な裏付けは十分ではありません。

概要

重要な効果・情報

「パイナップルエキス」とも呼ばれるブロメラインは複数のタンパク質を分解する特殊な消化酵素を豊富に含んでいます。この酵素は消化を改善し、胃や腸だけでなく、血液や体全体に影響を与えます。ブロメラインが胃の中にあると、タンパク質の消化を改善することが示唆されています。

人間での効果については多くの用途で研究の信頼性が低かったり、エビデンスが不十分ですが、ブロメラインの補給は、抗炎症作用や鎮痛作用、消化の改善、抗腫瘍作用、抗肥満作用などを持つ可能性があります。

ブロメラインの補給は関節の炎症を軽減して痛みを軽減したり、鼻の炎症を軽減し鼻づまりを改善する作用を示唆しています。ブロメラインを食事の間に摂取すると、免疫システムが改善し、ガンから身体を守る化学物質や血液凝固を遅らせる化学物質が含まれている可能性も示唆されていますが、現時点では人間でのエビデンスはありません。脂肪細胞に対する効果も調査されており、効果が期待出来るエビデンスも存在しますが、現時点では十分なエビデンスはありません。ブロメラインの抗炎症特性は、鼻づまりを解消する作用に関与しているようですが、消化器系を改善するメカニズムを決定するには、さらなる研究が必要です。

 

適応・効果

適応情報

効果がない可能性(中)

  • 運動後の筋肉痛の予防: 激しい運動の直後にブロメラインを経口服用しても、筋肉痛の発症を遅らせたり、痛み、柔軟性、筋肉の疲労に影響はないようです。筋肉サプリ

エビデンス不足

  • 重度の熱傷(やけど): 初期の研究ではブロメライン酵素を含むジュルを創傷包帯の下に塗布すると、第2度熱傷、第3度熱傷で壊死した組織の除去に役立つことが示されています。
  • 膝関節痛: 初期の研究は、ブロメラインの経口摂取が軽い膝の痛みを軽減する可能性があることを示しています。関節サプリ
  • 変形性関節症: ブロメライン単独の経口摂取は関節炎の痛みを減らさないようですが、ブロメライン、トリプシン、ルチンの組み合わせで経口摂取すると、変形性関節症の痛みを処方薬の抗炎症薬ジクロフェナクと同程度に減少させることが示唆されています。 ブロメライン、デビルズクロー、ウコンを含む別のサプリメントも、変形性関節症の痛みを軽減することを示唆しています。抗炎症サプリ
  • 慢性苔癬状粃糠疹(PLC): 初期の研究は、ブロメラインが慢性苔癬状粃糠疹の治療に効果を持つ可能性があることを示唆しています。
  • 抜歯後疼痛: いくつかの初期の研究では、親知らずの歯を抜いた後、ブロメライン単独、またはブロメラインとステロイド薬を服用すると、ステロイドのみを単独で服用するよりも痛みや腫れが軽減することが示されています。 しかし、他の研究では影響は見られませんでした。
  • 術後疼痛: 初期の研究では、ブロメラインを経口服用すると手術後に痛みや腫れが軽減することが示されています。 また、ブロメライン、L-アルギニン、ぶどう・りんごエキス、T型コラーゲン、メチルスルホニルメタン留出物、ビタミンCを含む製品を服用すると、手術後の肩の痛みが軽減するようです。 しかし、肩の機能は改善していません。
  • 関節リウマチ: 初期の研究は、ブロメラインが慢性関節リウマチ患者の関節の腫れを軽減できることを示しています。 しかし、この研究の信頼性は高くありません。関節サプリ:
  • 副鼻腔炎: 初期の研究によれば、ブロムラインとうっ血除去薬、抗ヒスタミン剤、抗生物質を併用すると、副鼻腔炎患者の鼻の腫れを軽減することを示しています。 しかし、この研究の信頼性は高くありません。むくみサプリ:
  • 腱損傷: 初期の研究では、ブロメラインを含む薬を服用すると、アキレス腱の怪我をした人の機能や痛みが改善されることが示されています。
  • 潰瘍性大腸炎: 初期の研究は、ブロメラインが、標準的治療後に十分な効果が出ない人の潰瘍性大腸炎の症状を緩和するのを助けることを示しています。
  • 尿管感染: 小規模な研究では、ブロメラインとトリプシンの組み合わせは尿路感染症に影響を与えないことを示しています。
  • 花粉症:
  • 抗生物質の吸収の改善:
  • 炎症: 抗炎症サプリ
  • の予防:
  • 分娩の短縮化:

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.
二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.
研究対象 効果の大きさ
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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.
研究の整合性
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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.
摘要
筋肉痛 小さい 2件の研究結果を見る
ブロメラインは筋肉の痛みを軽減する可能性がありますが、現時点での最も信頼できるエビデンスはこの作用を支持していません。(ただし、ブロメラインの効果が見られなかった研究では、既知の活性薬のイブプロフェンも効果が見られませんでした。)
1型糖尿病の発生率 研究結果を見る
変形性関節症の症状 研究結果を見る
変形性関節症の症状に有意な影響は見られませんでした。
炎症 小さい 研究結果を見る
さらなるエビデンスが必要ですが、現時点では軽度の効果が示されています。
鼻詰まり 小さい 研究結果を見る
さらなるエビデンスが必要ですが、現時点では軽度の効果が示されています。
主観的福利 小さい 研究結果を見る
関節の痛みが軽減したことによる軽度の主観的福利の改善が見られました。

 

副作用

副作用と安全性

ブロメラインは、適切な量で摂取された場合、ほとんどの人にとって安全とされています。 ブロメラインは、下痢や胃腸の不快感などの副作用を起こす可能性があります。 ブロメラインは、特にアレルギーを持つ人にアレルギー反応を引き起こす可能性があります。 アレルギーがある場合は、ブロメラインを服用する前に必ず医療機関で確認してください。

注意と警告

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妊娠と授乳: 妊娠中および母乳授乳中のブロメラインの使用の安全性については十分には分かっていません。 安全のため使用を控えましょう。
アレルギー: パイナップル、ラテックス、小麦、セロリ、パパイン、ニンジン、フェンネル(ウイキョウ)、ヒノキ花粉、牧草花粉にアレルギーがある場合は、ブロメラインにアレルギー反応を起こす可能性があります。
手術: ブロメラインは、手術中および手術後に出血のリスクを高める可能性があります。 予定された手術の少なくとも2週間前にブロメラインの使用を中止してください。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • アモキシシリン
    ブロメラインの摂取は体内のアモキシシリンを増加させる可能性があります。 ブロメラインをアモキシシリンと併用すると、アモキシシリンの効果や副作用が増加する可能性があります。
  • テトラサイクリン系抗生物質 
    ブロメラインの摂取は体の抗生物質の吸収を増加させる可能性があります。 ブロメラインを特定の抗生物質と併用すると、特定の抗生物質の効果や副作用が増加する可能性があります。
    テトラサイクリンにはデメクロサイクリン、ミノサイクリン、およびテトラサイクリン が含まれます。
  • 抗凝固剤・抗血小板剤
    ブロメラインは血液の凝固を遅らせる可能性があります。 ブロメラインと併用すると、凝固が遅くなり、挫傷や出血のリスクが高くなる可能性があります。
    血液凝固を遅らせる薬にはアスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリン、その他が含まれます。

その他の名称

  • パイナップルエキス

注意点

  • パイナップルは精液のような味がする場合があります。ブロメラインにはパイナップルの芳香族化合物が含まれており、このような味がする場合があります。
  • ブロメラインの補給の目的に応じて食事と一緒に取るか、別にしたほうが良いかが変わります。用法用量をご確認ください。
  • 溶液中に長時間放置すると、ブロメラインが自動的に分解する可能性があるため、飲み物に混ぜて長時間放置することはお勧めできません。

分類カテゴリー

良い組み合わせ

  • タンパク質(消化不良に罹患している場合)

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

ブロメラインの標準用量は補給の目的によって異なります。消化の改善のための標準用量は200~2,000mgで、食事と一緒に服用します。それ以外の目的には200~800mgが一般的です。ブロメラインは、胃駅による分解を避けるため食間に服用されることが多いです。標準用量が広くばらついているのは、乳凝固単位(MCU)またはゼラチン溶解単位(GDU)によって標準化されたブロメラインは酵素の潜在的な活性が異なるためです。

下記の用量が科学的な研究で使用されました。

経口服用:

  • 変形性関節症の場合:ルチン100mg、トリプシン48mg、ブロメライン90mgを含有する組み合わせ製品を1日2錠3回服用しています。

科学的根拠・参考文献