ブラダーラック[Ascophyllum nodosum](アスコフィラム・ノドサム)は海藻の一種です。その免疫改善作用や炭水化物の吸収を阻害する作用、抗炎症作用などが注目されています。副作用やその他の注意点をしっかりと確認してから服用することが大切です。

概要

重要な効果・情報

ブラダーラック(アスコフィラム・ノドサム)は世界中に分布する海藻の一種で、ケルプと呼ばれる海藻の一つです。ブラダーラックは、フロロタンニンと呼ばれる化合物を含み、デンプンや脂質の吸収を阻害する作用が示唆されていますが、この作用は信頼性が低く、炭水化物吸収を調査した2件のヒトの研究ではそれぞれ反対の効果が報告されています。
ブラダーラックは、免疫活性作用が示唆されているアスコフィルランと呼ばれる化合物を含有しており、ブラダーラック抽出物は、抗炎症作用も示唆されています。ブラダーラック健康食品ですが、その有用性を裏付けるエビデンスが不足しているため、サプリメントとして補給する意義について結論を出すためには更に多くの研究が必要です。

その他にも甲状腺不全(粘液腫)、甲状腺肥大(甲状腺腫)、ヨウ素欠乏症など甲状腺疾患や、関節炎、関節痛、動脈硬化、消化不良、胸やけ、血液浄化、便秘、気管支炎、気腫、尿路障害、不安、滋養強壮などに使用されたり、皮膚疾患、火傷、皮膚の老化、虫刺や、擦り傷に対して患部に塗布する人もいますが、これらの効果を裏付ける十分なエビデンスはありません。

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

 

レベル 研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ
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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性
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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
摂食量 小さい 研究結果を見る
摂食量は16.4%(本研究では80kcal)減少しましたが、減量に対しては有意な影響を与えない可能性が高いです。
食欲 研究結果を見る
摂食量は減少しましたが、食欲の減少は見られませんでした。

 

副作用

副作用と安全性

ブラダーラックの皮膚への塗布は安全と考えられています。ブラダーラックの経口摂取は安全でない可能性があります。 高濃度のヨウ素を含んでいる可能性があり、甲状腺の問題を引き起こしたり、悪化させる可能性があります。 長時間にわたり、食事療法によってヨウ素を多量に摂取すると甲状腺腫を発症し、甲状腺がんのリスクを増加させる恐れがあります。 甲状腺の治療については、医師の助言のもとに行うべきです。他の海藻類と同様に、ブラダーラックも生育した水から砒素などの有毒な重金属が濃縮されている可能性があるため、信頼できる経路で入手する必要があります。

注意と警告

妊娠と授乳: ブラダーラックは妊娠中や授乳中には安全でない可能性が高いです。使用してはいけません。

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出血性障害: ブラダーラックは血液の凝固を遅らせる可能性があります。 理論的には、出血性疾患を持つ人の挫傷や出血のリスクを高める可能性があります。

不妊症: 予備研究では、ブラダーラックは女性の妊娠する確率のが難しくなることが示唆されています。

ヨード過敏症: ブラダーラックには相当量のヨウ素が含まれており、過敏症の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がありますので、使用しないでください。

手術: ブラダーラックは血液の凝固を遅らせます。 手術中や手術後に余分な出血を引き起こす可能性が懸念されます。 手術の2週間前に服用を中止して下さい。

甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモン過多)または甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモン過少): ブラダーラックには相当量のヨウ素が含まれており、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症を悪化させる可能性があります。 医師の監督が無い限り、使用しないでください。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • 過活動甲状腺薬(抗甲状腺薬)

    ブラダーラックには相当量のヨウ素が含まれています。 ヨウ素は甲状腺に影響を与える可能性があります。 過活動甲状腺のための薬と一緒にヨウ素をとることは、甲状腺の機能を必要以上に低下させる可能性があります。抗甲状腺薬には、メディナミンマンデル酸塩、メチマゾール、ヨウ化カリウムなどがあります。

  • 血液凝固を遅らせる薬(抗凝固剤/抗血小板剤)

    ブラダーラックは血液の凝固を遅らせます。 血液凝固を遅らせる薬には、アスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリンなどがあります。

その他の名称

  • ケルプ(多くの種の1つ)、アスコフィラム・ノドサム、エッグ・ワック、ロックウィード、アルガノルエガオヌドサ、ラマリア藻類、アスコフィラムノドズム、アトランティックケルプ、ブラックタン、ブラダーフュカス、ブラステンテン、シーオーク、カットウィード、フュカス、フュクスベシキュロシス、ゴエモン、ケルプ、ケルプウェア、海洋レタス、海レタス、ラミナリア、マリンオーク、ノルウェー海藻、クルママリーナなど多数

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

ブラダーラックを研究したの研究では、1日1回食物にブラダーラックエキス4,600mgを添加しています。これが最適用量であるかどうかを判断するには、さらなる研究が必要です。

科学的根拠・参考文献