プテロスチルベンはレスベラトロールがジメチル化されたもので、特定の作用が強化され、吸収もはるかに優れています。様々な効果を持つ可能性がありますが、研究がレスベラトロールよりはるかに少なく、コレステロールへの悪影響が示唆されているため、注意が必要です。

概要

重要な効果・情報

プテロスチルベンは、レスベラトロールと構造的に類似しているスチルベン分子で、唯一の違いは、レスベラトロール分子のヒドロキシ基がプテロスチルベン分子では2つのメトキシ基に置き換えられています。両者の作用の大部分は同様ですが、プテロスチルベンの方が経口摂取後にはるかによく吸収され、抗酸化作用や抗癌作用も強力な可能性があります。低用量(ヒトの場合、通常10mg以下)のプテロスチルベンは認知機能に効果があるようで、アントシアニンと共にブルーベリーの生物活性成分の1つと考えられています。高用量(通常250-500mgの範囲)では神経への効果を示さない可能性もあります。人間の研究で血圧の減少が見られ、動物での研究では、プテロスチルベンの補充投与量が高いほど、コレステロールやグルコースを減少させるのに有益なことが示唆されていましたが、人間の実験ではHDL(善玉)が減少し、LDL(悪玉)と総コレステロールは増加し、血糖値への有意な影響は見られませんでした。また、いくつかのパラメータ(抗酸化作用、吸収速度など)で、レスベラトロールよりも強力だと考えられていますが、広範な比較は行われていません。プテロスチルベンについてはレスベラトロールと比べて効果の検証が少ないため、レスベラトロールが持つすべての効果が同等以上というわけではありません。

適応・効果

適応情報

効果がない可能性(中)

糖尿病: 動物実験では、血糖値の低下やインスリン抵抗性の改善は非常に強力で、参照薬物としてメトホルミンに匹敵する効果を持つことを指摘したいくつかの研究がありますが、二重盲検法を使った人間での研究では血糖値への有意な影響は見られませんでした。

高コレステロール血症: 高コレステロール血症の成人を対象にした研究では、HDL(善玉)が減少し、総コレステロールとLDL(悪玉)が増加しました。高コレステロール血症の方は服用を避けるのが賢明です。

エビデンス不足

高血圧症: 高コレステロール血症の成人を対象にした研究では、血圧の減少が見られましたが、高血圧症の人の血圧の改善に効果があるかは不明です。

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減量: プテロスチルベンの補給で高コレステロールの成人の軽度の体重減少が見られました。

筋肉: プテロスチルベンの補給が筋肉量や筋肉に影響を与えることを裏付けるエビデンスはありません。

 

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

 

レベル 研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
血圧 小さい 研究結果を見る
プテロスチルベンは、高コレステロール血症の成人の血圧を低下させるようで、コレステロールの有害な影響を緩和するブドウ種子エキスの添加は、血圧の改善をサポートするようです。
HDL-C 小さい 研究結果を見る
プテロスチルベンは高コレステロール血症の成人のHDLを軽度に低下させるようです。
LDL-C 小さい 研究結果を見る
高コレステロール血症の成人のLDLコレステロールの増加が見られました。また、ブドウ種子エキスの補給によってLDLの増加は緩和されました。
総コレステロール 小さい 研究結果を見る
LDLの増加に起因する総コレステロールの増加が見られました。
体重 小さい 研究結果を見る
プテロスチルベンの補給で高コレステロールの成人の軽度の体重減少が見られました。ブドウ種子エキスの添加が両方の作用を緩和しているようなので、コレステロールの上昇と体重の減少はリンクしている可能性があります。
血糖値 研究結果を見る
高コレステロール血症の成人におけるプテロスチルベンの補充は、対照と比較して血糖に影響しないようです。
クレアチニン 研究結果を見る
高コレステロール血症の成人におけるプテロスチルベンの補充は、対照と比較してクレアチニンに影響を与えないようです。
肝臓酵素 研究結果を見る
高コレステロール血症の成人におけるプテロスチルベンの補充は、対照と比較して肝臓酵素(ALP、AST)に影響しないようです。
トリグリセリド 研究結果を見る
プテロスチルベン補給を受けた正常なトリグリセリドレベルを有する成人のトリグリセリドには、相互作用はないようです。

 

副作用

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

グルコースおよび脂質代謝を目的としたプテロスチルベンの補充は、ラットにおいて約20〜40mg / kgの経口摂取が行われており、68kgの人の場合、215-430mgに相当します。

プテロスチルベンの抗不安作用はマウスにおいて1〜2mg / kgの経口摂取で観察されており、68kgの人の場合は5.5〜11mgに相当します。

マウスの場合、5-10mg / kgでは、抗不安効果を示さず、高用量では効果がないことが示唆されています。

ヒトの研究では、50mgを1日2回または125mgを1日2回で使用し、ブドウ種子抽出物 100mgの低用量で添加することで、プテロスチルベン単独で観察されるコレステロールへの悪影響を緩和することができるようです。

科学的根拠・参考文献