カンレンソウ(旱蓮草、アメリカタカサブロウ)は、アーユルヴェーダで伝統的に肝臓機能を強化するために使用されてきたハーブです。予備的な研究では、ミノキシジルに匹敵する強力な育毛促進効果や、抗糖尿病効果、肝臓保護効果が示唆されています。

概要

重要な効果・情報

カンレンソウ(アメリカタカサブロウ)は、アーユルヴェーダ薬として、伝統的に、肝臓の強壮に使用されてきており、予備的な研究で糖尿病、眼の健康、および育毛への有益な効果が示唆されております。また、作用のメカニズムは分かっていませんが、動物実験で、抗糖尿病作用が示されています。石油エーテルによる抽出物を用いて研究で、繰り返し髪の再成長が認められ、その効力はミノキシジルの2%溶液と同等でした。 カンレンソウを他の2つのハーブ(コロシントウリ[Citrullus Colocynthis]およびソリネナシカズラ[Cuscuta Reflexa])と併用した研究によると、ミノキシジルより優れていました。古くからカンレンソウは目に良いとされてきましたが、人間での二重盲検法による研究で、毎日3gの葉を服用した人の7.5%が、視力が向上したと報告されていますが、眼の健康に関してはこの研究が現在のところ唯一のエビデンスとなっています。被験者には自覚がない場合もありますが、60日以上のカンレンソウの葉の粉末を3g摂取することで視力が向上する可能性があります。カンレンソウは、目や育毛、肝臓以外にも、怒りの軽減や痛みの軽減、血圧の低下、利尿作用、免疫系の改善(マクロファージおよび白血球の活性の増加)が動物実験などで示唆されています。健康及び美容への効果が期待されるハーブですが、さらなる研究が必要です。

エビデンス不足

糖尿病: 研究によると、カンレンソウの水抽出物を摂取すると、2型糖尿病の人の血糖値を低下させられる可能性があることを示唆しています。
回虫、虫垂、鉤虫、吸虫などの寄生虫症: カンレンソウの水抽出物を服用すると、3日後に成人および小児の蟯虫感染の症状を緩和し、治療できる可能性を示すエビデンスがいくつかあります。
悪心
かぜ
麻疹
黄疸
不安障害
不整脈
筋力低下
その他

適応・効果

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

 

レベル 研究の質と量

?

信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

?

信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

?

それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

?

科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
血圧 中程度 研究結果を見る
カンレンソウ(アメリカタカサブロウ)を使用している健康でない人の血圧(平均動脈圧)が15%低下しました。
利尿 中程度 研究結果を見る
尿量が34%増加しており、他の栄養補助食品よりも優れていることから、大きな注目を集めています。
LDL-C 中程度 研究結果を見る
LDL-Cが高血圧患者で24%低下しています。
脂質過酸化 小さい 研究結果を見る
脂質過酸化のバイオマーカーが減少しました。血清ビタミンE濃度の増加に関連している可能性があります。
総コレステロール 小さい 研究結果を見る
カンレンソウの補給により総コレステロールの低下が見られました。
トリグリセリド 小さい 研究結果を見る
トリグリセリドの減少がみられましたが、減少量は多くありませんでした。
vLDL-C 小さい 研究結果を見る
空腹時vLDLの減少が見られました。
HDL-C 研究結果を見る
HDL-Cコレステロールに対しての変化は観察されませんでした。

 

科学的根拠・参考文献

副作用

  • 利尿作用を持つ可能性があるため、頻尿の方は注意が必要です。実験では30人中2名が副作用として、尿の頻度の上昇を報告しています。

注意事項

その他の名称

  • Eclipta Alba、Eclipta prostrata、フォールス・デイジー(False Daisy)、イエルバ・デ・タゴ(Yerba de tago)、ケラジ(Kehraj)、カザランカンニ(Karisalankanni)

混同しやすいもの

分類カテゴリー

良い組み合わせ

  • パイパーロンガムインビトロでの抗酸化作用)

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

現在、人間でカンレンソウを使用した唯一の研究では、葉を3000mgを摂取しています。この研究では抽出物を使用しておらず、葉を粉砕してカプセル化して服用しています。エーテル抽出物の育毛効果の場合は局所塗布で溶液の5%、エタノール抽出物の鎮痛効果については、ラットでの実験に使用した500mg / kgを人間の用量に換算した80mg / kgが基準となります。

科学的根拠・参考文献