イタドリ(Fallopia japonica, Japanese knotweed)はレスベラトロールを豊富に含むタデ科の多年生植物で、伝統的な漢方薬をして日本でも古くから使われてきました。レスベラトロールには、血流や血糖値、コレステロールを改善する働きがあり、イタドリをサプリメントとして補給することで、このような効果が期待できる他、それ以外にも体内でエストロゲンとして作用する可能性があり、様々な効果効能についても研究が進んでいます。

概要

重要な効果・情報

イタドリは、タデ科の多年生植物で、胃腸の健康や循環器の健康のために、伝統的に中国や日本で使用されてきました。イタドリには、レスベラトロール や構造的に類似した化合物を含み、下剤効果がありますが、センナの根ほど強力ではないようです。イタドリの効果の大部分は、循環器や胃腸に対するスチルベン(レスベラトロール)またはアントラキノン(エモジン)の作用によるものと考えられています。イタドリに関する研究は医学的またはサプリメントとして使用するためにレスベラトロールを大量に生産できる方法に関するものが多くあります。ヒトでは限られた試験しか行われていませんが、レスベラトロールを豊富に含有しているため、血糖値やコレステロール、血圧や血流を改善すると考えられている。これにより動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)、高コレステロール血症、心臓病、血管、便秘、肝疾患(肝炎)、胆石などの消化器系の問題や、 ガン、火傷、骨の痛みや腫れ(骨髄炎)、痛風などへの効果が期待されています。また、女性の月経期の症状や更年期の症状に使われることもあります。

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量

?

信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

?

信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

?

それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

?

科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
炎症 中程度 研究結果を見る
nF-kB活性が測定され25%の減少が認められました。これは効果としてはかなり強力で、レスベラトロルまたはスチルベンが関連している可能性が高いです。
一般酸化 小さい 研究結果を見る
酸化のバイオマーカーに減少が見られ、効力や信頼性の測定により多くのエビデンスが必要です。
TNF-アルファ 小さい 研究結果を見る
イタドリの経口摂取後にTNF-αの減少が認められました。
血糖値 研究結果を見る
健康で痩せた人の血糖には影響がみられませんでした。
HDL-C 研究結果を見る
健康な人のHDL-Cに対する有意な影響は見られませんでした。
インスリン 研究結果を見る
空腹時のインスリン値に有意な変化は認められませんでした。
インスリン感受性 研究結果を見る
健康で痩せた人のインスリン感受性に影響は見られませんでした。
LDL-C 研究結果を見る
健康な人のLDL-Cは影響を受けてないようです。代謝が不健全な人での試験は行われていません。
レプチン 研究結果を見る
健康で痩せた人のレプチンに有意な影響は見られませんでした。
総コレステロール 研究結果を見る
イタドリの摂取によるコレステロールの有意な変化は見られませんでした。
トリグリセリド 研究結果を見る
イタドリのトリグリセリドに対する有意な影響は見られませんでした。

副作用

副作用と安全性

イタドリの経口摂取は適切な量と期間である限り安全と考えられています。イタドリの摂取による重大な副作用に関する報告はありません。

注意と警告

妊娠と授乳: 妊娠と授乳の安全性に関する信頼できる情報は十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。

出血性障害: イタドリにはレスベラトロールが含まれています。 レスベラトロールは血液の凝固を遅らせる化学物質です。 採取後に、凝固が遅くなり、出血性疾患を持つ人の挫傷や出血の可能性が高まる可能性があります。

スポンサーリンク

乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性症状: イタドリがエストロゲンのように働くかもしれないという検証中のエビデンスがあります。 エストロゲンによって悪化する症状がある場合は使用しないでください。

手術: イタドリにはレスベラトロールが含まれています。 レスベラトロールは血液の凝固を遅らせる化学物質です。イタドリは、手術中および手術後に出血のリスクを高める可能性があります。 予定された手術の少なくとも2週間前に使用を中止してください。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • エストロゲンイタドリはエストロゲンと同じような効果を持つ可能性があります。エストロゲンには、馬のエストロゲン、エチニルエストラジオール、エストラジオールなどがあります。
  • 肝臓によって変化する薬物(シトクロムP450 3A4基質(CYP3A4))イタドリは、レスベラトロールと呼ばれる化学物質を含んでいます。 レスベラトロールは、肝臓が薬を分解する速度を減少させる可能性があります。 イタドリと摂取することで、いくつかの薬の効果と副作用を増加させる可能性があります。肝臓によって変化する薬には、ロバスタチン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フェキソフェナジン、トリアゾラム、などを始めとして多くの医薬品があります。
  • 血液凝固を遅らせる薬(抗凝固剤/抗血小板剤)イタドリにはレスベラトロールと呼ばれる化学物質が含まれています。 レスベラトロールは血液の凝固を遅らせる可能性があります。血液凝固を遅らせる薬には、アスピリン、クロピドグレル、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ダルテパリン、エノキサパリン、ヘパリン、ワルファリンなどがあります。

その他の名称

  • Fallopia japonica、ジャパニーズ・ノットウィード(Japanese Knotweed)、ポリゴナム・カスピダトゥム(Polygonum Cuspidatum)、フザン(Huzhang)、モンキーフォード(Monkeyweed)、ポリゴナムジャポニクスなど

混同しやすいもの

分類カテゴリー

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

現時点でのヒトの研究では、イタドリを毎日200mgを服用し、レスベラトロール の含有量は40mgとなっています。イタドリにはそれ以外の生物活性物質がありますが、レスベラトロールを基準にして摂取すると良いかもしれません。

科学的根拠・参考文献