テアクリン[Theacrine]は構造的にカフェインに類似したアルカロイドで、予備的なエビデンスから、シグナル伝達経路を活性化することが示唆されています。予備的エビデンスではテアクリンに対する耐性はつきにくいことが示唆されていますが、結論を出すには研究が不十分です。

概要

重要な効果・情報

テアクリンは、カフェインに構造的に類似している小さなアルカロイド分子で自然界に存在する化合物です。特定の植物においてはカフェインから合成されて蓄積される場合もあるようです。苦丁茶(Camellia assamica var. kucha)やクプアス(Cupuaçu[Theobroma grandiflorum])に含まれていますが、体系的な研究が不足しているため含有量の比較や他のものに含まれているかどうかは分かっていません。

テアクリンのメカニズムは、ほとんどの場合カフェインのメカニズムとよく似ていますが、ラットによる研究では高用量で覚醒効果があるようです。効果が最大になる正確な経口用量はまだ分かっていません。比較的低用量ではカフェインと同様に鎮静効果がありますが、このような鎮静効果はカフェインの場合ではお茶に含まれるような非実用的なほど低用量でも、テアクリンの場合では効果があるようです。これが苦丁茶が覚醒作用よりもリラックス作用のために消費される傾向にある理由だと考えられています。

その他にも、加齢や一般的な風邪、倦怠感、精神状態の向上、運動能力の向上のために服用されています。

テアクリンによる覚醒作用は、カフェインが通常耐容性を示す7日間の間でもほとんど耐容性が見られなかったことが1つの研究から示唆されています。テアクリンに対する体の耐容性ができにくいことを示唆していますが、これをさらに評価するためには、経口服用実験を含むさらに多くの研究が必要です。現時点では、テクアリンはアデノシンシグナル伝達に関与するいくつかの化合物の1つであるため注目されていますが、サプリメントとして有用であるかどうかを判定するためには研究は十分ではありません。

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

科学的な研究が不足しており、下記の項目に関する効果は現時点では不明です。

効果まとめ

現時点では人間での効果に関して、下記のエビデンスが存在しています。

  • 精神的なパフォーマンス 初期の研究では、テアクリンを1回服用しただけでは、健康な人の集中力は改善されないことが示唆されています。しかし、テアクリンを7日間服用すると、一部の人の集中力が改善されたという報告もあります。1
  • 物理的なパフォーマンス  初期の研究では、テアクリンを1日1回服用すると、健康な人のエネルギーが増え、疲労が軽減されることが示唆されています。 同様に7日間使用すると、一部の人のエネルギーや疲労が改善されたという報告があります。2

副作用

現時点ではテアクリンが安全で副作用を持つかは十分には分かっていません。

妊婦・授乳: テアクリンの妊婦や授乳時の安全性に関する信頼できるデータは十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。

注意事項

相互作用

テアクリンの相互作用に関するデータはありません。

その他の名称

  • 1,3,7,9-テトラメチル酪酸

混同しやすいもの

注意点

  • テアクリンは、服用量に応じて鎮静作用と刺激(覚醒)作用を持つと考えられています

用法・用量

テアクリンの適切な用量は使用される方の年齢や健康状態、その他の条件によって変わります。現時点では、テアクリンの最適な用量に関する科学的な情報は十分ではありません。自然界に存在するものでも常に安全とは限りませんし、用量が重要な場合もありますので、製品のラベルをしっかりと読んだ上で不明な点があれば医療関係者と相談してください。

科学的根拠・参考文献

 

  1. Habowski SM, Sandrock JE, Kedia AW, Ziegenfuss TN. The effects of Teacrine, a nature-identical purine alkaloid, on subjective measures of cognitive function, psychometric and hemodynamic indices in healthy humans: a randomized, double-blinded crossover pilot trial [poster]. J Int Soc Sports Nutr 2014;11(Suppl 1):P49.
  2. Habowski SM, Sandrock JE, Kedia AW, Ziegenfuss TN. The effects of Teacrine, a nature-identical purine alkaloid, on subjective measures of cognitive function, psychometric and hemodynamic indices in healthy humans: a randomized, double-blinded crossover pilot trial [poster]. J Int Soc Sports Nutr 2014;11(Suppl 1):P49.