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筋合成ではなく筋損失を防ぐ! HMBの効果・副作用の科学的レビュー・口コミ

HMB(ヒドロキシメチルブチレート)は、筋肉のタンパク質の分解を抑制するロイシンの活性代謝産物です 。筋肉の変性を抑制する作用があるようですが、筋肉のタンパク質合成の促進についてはロイシンほどの効果がないことが示されています。

概要

重要な利点・効果・事実・情報

HMB(β-ヒドロキシβ-メチルブチラートの略)は、KIC(αケト-イソカプロン酸)およびイソバレリル-CoAと同様にアミノ酸のロイシンの代謝生成物で、ロイシンの作用を媒介します。食事に含まれるロイシンの約5%がHMBに酸化され、HMBはロイシンの主要な代謝産物とされており、筋肉タンパク質の分解を効果的に防止することが示されています。ロイシンと比較して、HMBは摂取量あたりに筋肉タンパク質を分解する速度をより大きく低下させることが示されていますが、筋肉のタンパク質合成を誘導するという面ではロイシンよりも効力が低いことが示されています。このため、HMBは筋肉量を増加を目的とするのではなく、筋損失の速度を低下させることを目的として使用するべきです。ヒトでの研究は、HMBの効果を適切に評価できていないようです。ほとんどの試験では、運動療法と組み合わせて筋肉のタンパク質合成を促進する役割を調べています。筋損失に対するHMBの効果を評価したエビデンスでは、アスリートに対するものではありません。HMBは現在のところ、悪液質、AIDS、寝たきりなどの筋萎縮が進行している患者の筋肉疲労や菌損失を軽減する目的では有望なサプリメントであると考えられ、理論的にはカロリー制限食を行っているアスリートでも効果があるべきですが、このような目的を調べた研究はまだありません。

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(中)

  • 後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の体重減少筋力低下: アルギニンとグルタミンのアミノ酸とともにHMBを口に入れた場合、8週間使用するとAIDS患者の体重および除脂肪体重が増加するようです。 また、この組み合わせはこれらの人の免疫システムの働きを改善する可能性があります。筋肉サプリ:
  • 老化に伴う筋欠損(サルコペニア):  ほとんどの研究は、HMBを服用することが、老化に伴う筋肉の損失を軽度に減少させることを示しています。筋肉サプリ:

エビデンス不足

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

レベル 研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量

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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ

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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性

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科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
筋力 中程度 12件の研究結果を見る
エビデンスは相反しており、筋力の増加を示すものもありますが、効果があった場合でもその効力はそれほど大きくありません。
筋肉損傷 中程度 高い 3件の研究結果を見る
HMB遊離酸の直前補給(運動の15~30分前)により、筋肉損傷のバイオマーカーであるクレアチンキナーゼが対照グループの約3分の1に減少し、トレーニングをしている被験者でも有効であることが示されています。
脂肪質量 小さい 低い 7件の研究結果を見る
筋肉トレーニングと組み合わせて、HMBを補給することで脂肪量が減少する可能性はありますが、減少量は大きくなく、効果が見られないものもあり、確実性は低いです。
コルチゾール 非常に高い 3件の研究結果を見る
直前補給によるコルチゾールレベルに対する有意な影響はありませんでした。
摂食量 高い 4件の研究結果を見る
HMB補給に関する研究では時に食物摂取量に変化が見られるものの、有意な変化ではない可能性があります。検査を受けたグループ内での誤差におるもので、現時点ではHMBの補給による有意な効果とはいえない状態です。
リーンマス 高い 8件の研究結果を見る
HMBの補給に伴うリーンマス(除脂肪体重)に有意な影響は見られませんでした。
テストステロン 非常に高い 3件の研究結果を見る
急性使用によるテストステロンレベルに対する有意な影響は見られませんでした。
トレーニング量 非常に高い 3件の研究結果を見る
急性使用によるトレーニング量に有意な影響は見られませんでした。
総コレステロール 小さい 2件の研究結果を見る
1件の信頼性の不十分な研究で総コレステロールの増加が見られましたが、別の研究では有意な影響は見られませんでした。総コレステロールに対するHMBの正確な影響はまだ分かっておらず、更なる検証が必要です。
短距離走能力 研究結果を見る
トレーニングしている被験者にはHMBの補給によるスプリント能力の有意な改善は見られませんでした。
骨密度 非常に高い 2件の研究結果を見る
骨粗鬆症のリスクのないアスリートで行われたDEXAによる骨密度(骨ミネラル濃度)の評価では、短期間の服用による骨密度への有意な影響は見られませんでした。
C-反応性タンパク質 研究結果を見る
C反応性タンパク質に有意な影響は見られませんでした。
疲労 非常に高い 2件の研究結果を見る
アスリートのHMB補給に伴う運動誘発性疲労に有意な影響は見られませんでした。
成長ホルモン 研究結果を見る
アスリートのHMB補給に伴う血清中の成長ホルモンに有意な変化は見られませんでした。
HDL-C 非常に高い 2件の研究結果を見る
HDLコレステロール値に有意な変化は見られませんでした。
IGF-1 研究結果を見る
循環IGF-1濃度に有意な変化は見られませんでした。
インターロイキン6 研究結果を見る
循環IL-6濃度に有意な変化は見られませんでした。
LDL-C 非常に高い 2件の研究結果を見る
LDLコレステロールレベルに有意な変化は見られませんでした。
肝臓酵素 非常に高い 2件の研究結果を見る
HMB補給による血清肝臓酵素の有意な変化は見られませんでした。
筋肉痛 非常に高い 2件の研究結果を見る
HMB補給による運動後の筋肉痛に有意な変化は見られませんでした。
関節可動域 研究結果を見る
関節の稼働範囲に有意な影響は見られませんでした。(運動後の痛みのために両方のグループで可動域の低下が見られました。)
血糖値 小さい 研究結果を見る
信頼性の不十分な研究では、血糖値の低下が示唆されていますが偶然の誤差の可能性があります。
尿素 小さい 研究結果を見る
尿素のわずかな増加が認められるため、追加の実験が必要です。
トリグリセリド 研究結果を見る
トリグリセリドに有意な影響は見られませんでした。
VO2 Max 研究結果を見る
トレーニングをしているアスリートのVO2maxに大きな影響は見られませんでした。

副作用

副作用と安全性

HMBを短期間経口服用した場合、ほとんどの人にとっては安全とされています。 1日あたり3グラム以下の用量を1年間使用しても安全に関する問題は起こりませんでした。

注意と警告

妊娠と授乳: 安全性に関する信頼できる情報は十分ではありません。安全のため使用を控えましょう。

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

HMBの補給は、筋肉量の減少の防止(抗異化作用)を目的として、毎日1-3gの用量で服用される傾向があります。この目的ではHMBはロイシンより20倍強力なため、20-60gのロイシンの補給と同等と考えられています。筋肉のタンパク質合成の目的のためには、ロイシンと同等かそれ以下と考えられています。ロイシンの方がより安価であることから、HMBを筋肉のタンパク質合成を促進する目的では勧められません。運動前にHMBを補給する場合には、カルシウム塩ではなくHMB
遊離酸の使用が必要であり、上記用量の範囲内で補給しましょう。この場合、HMBは運動の30~45分前に摂取してください。

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下記の用量が科学的な研究で使用されました。

経口服用:

  • エイズに関連する体重減少、衰弱および下痢の治療(エイズによる消耗): アルギニンおよびグルタミンをそれぞれ14グラムとHMB 3gを毎日2回に分けて使用しています。

科学的根拠・参考文献

管理人 :慶應義塾大学の理工学部卒業後、国内外でコンサルティング業務やスタートアップの立ち上げを経験した後、日本に帰国してから健康・医療の情報を収集して発信しています。 趣味:ネットサーフィン、読書(最近かなり減ってますが)、アウトドア(家族と) 毎日メディテーションとジョギング、筋トレ・ストレッチしています。既婚で子供4人(男女女男)です。