ナツメグやメースはニクズク[Myristica Fragrans]という植物の種子の一部で、香辛料や調味料、香料として使用されています。精神に作用する可能性もありますが、科学的なエビデンスは不十分で高用量で摂取した場合の安全性について懸念があるため注意が必要です。

概要

重要な効果・情報

ニクズク(学名Myristica fragrans)の種子のまわりの網目状の赤い皮の部分がメース、その赤い皮の内側の黒い種子を割った中の部分(仁)がナツメグです。

食品では、ナツメグとメースは香辛料や調味料として使われています。製造においては、ナツメグ油は石鹸や化粧品の香料として使われています。ナツメグ油は虫で処理した(虫が油の豊富な種子の部分を残して、澱粉や脂肪の大部分を食べてしまうため)ナツメグの種子を絞って作られています。また、独特の香りをもち、香水やアロマオイルなどに利用される場合もあります。

ナツメグやメースは中枢神経系に影響を与える可能性のある化学物質が含まれています。ナツメグやメースは細菌や真菌に作用する可能性があります。しかし、これらの有効性については、人間での科学的な検証は十分には行われていません。

 

適応・効果

適応情報

エビデンス不足

  • 幻覚:  5〜20グラムのナツメグ粉末(1〜3粒)を食べると、精神活性作用が生じる可能性があります。 メースもナツメグと同様に、高用量で摂取すると精神活性作用を持つ可能性がありますが、科学的な検証は行われていません。
  • 下痢症:
  • 胃の問題:
  • 腸内ガス:
  • :
  • 腎疾患:
  • 疼痛:

 

副作用

副作用と安全性

ナツメグやメースは適切に経口摂取された場合に安全とされています。 ナツメグとメースは一般的にスパイスとして食品に添加されています。

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ナツメグやメースを食品に含まれる量よりも多く長期間に亘って服用することは安全でない可能性がありあmす。 1日120mg以上の用量でナツメグを長期服用すると、幻覚やその他の精神的な副作用を生じる可能性があります。 ナツメグを大量に服用した人は、吐き気、口渇、めまい、不規則な心拍、動揺、幻覚を生じる可能性があります。また、深刻な副作用の結果因果関係が否定できない死亡例が報告されています。

ナツメグやメースを肌に使用する場合の安全性については十分にはわかっていません。

注意と警告

妊娠と授乳: ナツメグやメースは、食品に含まれるよりも多い量で摂取した場合安全でない可能性があります。特に、 妊婦では、流産や先天性欠損症を引き起こす可能性が指摘されています。

授乳中のナツメグやメースの安全性については十分にはわかっていません。 安全のため使用を控えましょう。

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • 肝臓によって変化する薬(チトクロームP450 1A1(CYP1A1)基質) ナツメグやメースは、肝臓が薬を分解する速度を速める可能性があります。 肝臓で分解される薬を服用している場合ナツメグやメースを摂取する前に、医師に相談してください。このような薬にはクロルゾキサゾン、テオフィリン、ブフラロールなどが含まれます。
  • 肝臓によって変化する薬(チトクロームP450 1A2(CYP1A2)基質)ナツメグやメースは、肝臓が薬を分解する速度を速める可能性があります。 肝臓で分解される薬を服用している場合ナツメグやメースを摂取する前に、医師に相談してください。このような薬にはクロザピン、シクロベンザプリン、フルボキサミン、ハロペリドール、イミプラミン、メキシレチン、オランザピン、ペンタゾシン、プロプラノロール、タクリン、テオフィリン、ジロートン、ゾルミトリプタンなどが含まれます。
  • 肝臓によって変化する薬(チトクロームP450 2B1(CYP2B1)基質)ナツメグやメースは、肝臓が薬を分解する速度を速める可能性があります。 肝臓で分解される薬を服用している場合ナツメグやメースを摂取する前に、医師に相談してください。
  • 肝臓によって変化する薬(チトクロームP450 2B2(CYP2B2)基質)ナツメグやメースは、肝臓が薬を分解する速度を速める可能性があります。 肝臓で分解される薬を服用している場合ナツメグやメースを摂取する前に、医師に相談してください。
  • フェノバルビタールナツメグとメースは、フェノバルビタールの分解速度を増加させる可能性があります。 ナツメグとメースをフェノバルビタールと一緒に摂取すると、フェノバルビタールの効果が低下する可能性があります。

その他の名称

  • ニクズク、メース

用法・用量

現時点では、ナツメグやメースの摂取による健康への効果は確立されていないため、推奨される用量も分かっていません。高用量で強い副作用を生じるリスクがあるため、通常の食事でスパイスとして利用する量で使用することをお勧めします。

科学的根拠・参考文献