ナイアシン(ビタミンB3)は必須ビタミンです。補給によって、コレステロールやトリグリセリドレベルを改善し、心血管の健康への有益性が示されていますが、サプリメントの副作用としてインスリン抵抗性が高まる可能性がありますので注意が必要です。

概要

重要な効果・情報

ビタミンB3は、一般的にナイアシン(ニコチン酸)を指しますが、ニコチンアミドと呼ばれる化合物も指すことがあります。ビタミンB3は様々な酵素の機能を改善するために必要です。ナイアシンは、酵母、肉、魚、牛乳、卵、緑色野菜、穀類などの食品中に見られます。また、ナイアシンはタンパク質含有食品中にあるトリプトファンからも体内で産生されます。サプリメントとして服用する場合、ナイアシンは他のビタミンB群と組み合わせて使用されます。
ナイアシンとナイアシンアミド、イノシトールニコチネート、IP-6、トリプトファンはそれぞれ別の化合物です。

ナイアシンアミドは体内のナイアシンから作ることができます。体に必要な量よりも過剰なナイアシンはナイアシンアミドに変換されます。ナイアシンとナイアシンアミドは水に溶けやすく経口服用時によく吸収されます。

ナイアシンおよびナイアシンアミドは、体内の脂肪や糖が適切に機能し、健康な細胞を維持するために必要とされます。高用量では、ナイアシンやナイアシンアミドは異なる効果を持ちます。ナイアシンは、凝血に有益な効果があるため、心臓病の人に効果を持つ可能性があり、血中のトリグリセリドと呼ばれる脂肪レベルを改善する可能性があります。ナイアシンアミドは脂肪には有益な効果はなく、血中コレステロールや血中脂肪の治療には有益ではありません。

ナイアシンの補給は、血中脂質レベルを正常化するのに非常に有効で、HDL-Cレベルが低い人のHDL-Cレベルを増加させ、LDL-Cレベルが高い人のLDL-Cレベルを低下させることができます。また、血中脂質のトリグリセリドレベルも補給後に低下させるため、ナイアシンは理論上は優れた心臓保護サプリメントであると考えられますが、残念ながらナイアシン補給はインスリン抵抗性を高め、ナイアシンが血中脂質レベルにもたらす利益を相殺してしまいます。

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現代の日本のセイカツでナイアシンが欠乏する可能性はかなり低いですが、食生活不良、アルコール依存症、カルチノイド腫瘍という遅発性腫瘍の人は、ナイアシン欠乏のリスクがあります。

また、ナイアシン補給の他の利点として、成長、認知、長寿の改善が示唆されています。これは、ナイアシンの補給が細胞のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)レベルを増加させるためです。予備的なエビデンスではNAD+レベルの上昇が上記のような利点をもたらす可能性を示唆していますが、この効果が実際に生じるかどうかを決定するには、さらに多くの研究で検証する必要があります。

ニコチンアミドの局所適用は、ビタミンAほど効果的ではありませんが、皮膚の健康の改善に効果があります。ナイアシンの補給時に起こる可能性のある副作用のナイアシンフラッシュが起こらないため、ニコチンアミドが局所適用に使用されます。現在のエビデンスは、肝臓においてグルコース合成を抑制するインスリンの能力をナイアシンが妨げるため、ナイアシン補給を継続するとインスリン抵抗性が増加することが示唆されています。これは血中グルコースレベルの上昇を引き起こし、関連する受容体が上昇したグルコースレベルに脱感作されるため、時間の経過とともにインスリン感受性が低下します。 ナイアシン補給によって起こるフラッシュは一時的なものです。 不快な症状ですが、有害ではありません。
尿検査に合格するためにナイアシンを過剰摂取する人に関する多くのケーススタディがあります。 ナイアシンの過剰摂取は多臓器不全をもたらし、尿検査の陰性化には有効ではありません。

 

適応・効果

適応情報

有効性の信頼度(高)

  • 高コレステロール血症: ナイアシンアミドではなくナイアシンのみがコレステロールを低下させるようです。 アメリカでは、一部のナイアシン製品は高コレステロール治療薬としてFDAの承認を受けての処方薬として利用されています。 このような処方薬としてのナイアシン製品は、一般的に500mg以上の高用量です。 ナイアシンの栄養補助食品は通常、250mg以下となっています。 高コレステロール治療には非常に高用量のナイアシンが必要なため、栄養補助食品のナイアシンでは十分でないことがあります。コレステロール抑制サプリ:
  • ナイアシン欠乏症(ペラグラ): ナイアシン欠乏の治療および予防、およびペラグラなどのナイアシン欠乏に関連する特定の症状への効果が示されています。アメリカではナイアシンとナイアシンアミドの両方は、FDAの承認を受けています。 ナイアシンアミドは、ナイアシン治療の副作用である「紅潮」(発赤、かゆみ、うずき)を引き起こさないのでナイアシンアミドを利用する場合があります。

有効性の信頼度(中)

  • アテローム動脈硬化症: 胆汁酸封鎖剤と呼ばれる医薬品と一緒にナイアシンを経口服用することは、アテローム動脈硬化症の男性の動脈硬化を減少させるようです。治療前にトリグリセリドという血中脂肪が高い人には特に効果が高いようです。ナイアシンとコレステロール低下薬を併用すると、動脈狭窄や動脈硬化の病歴を持つ人の心臓に関連する有害な事象のリスクを低減できることも示唆しています。 しかしナイアシンを服用しても、末梢動脈疾患(PAD)と呼ばれる状態の患者の動脈の硬化には有意な影響は見られないようです。コレステロール抑制サプリ:
  • 下痢症(コレラ): ナイアシンを経口摂取すると、コレラによる体液の喪失をコントロールできるようです。下痢
  • HIV感染症/AIDS患者の血中脂質の異常: ナイアシンを服用すると、抗レトロウイルス治療のために血中脂肪レベルに異常のあるHIV /エイズ患者のトリグリセリドというコレステロールやその他の血中脂質のレベルが改善するようです。コレステロール抑制サプリ
  • メタボリックシンドローム: ナイアシンを摂取すると、HDL(善玉)コレステロールのレベルが上昇し、メタボリックシンドロームを患う人のトリグリセリドという血中脂質レベルが低下するようです。 ナイアシンをオメガ3脂肪酸と一緒に服用すると、さらに効果が高まるようです。コレステロール抑制サプリ:

エビデンス不足

  • アルツハイマー病: 食品やマルチビタミンからナイアシンを多く摂取する人は、ナイアシンの消費が少ない人よりもアルツハイマー病を発症するリスクが低いようです。 しかし、ナイアシンサプリメントを単独で摂取することがアルツハイマー病の予防に役立つというエビデンスはありません。
  • 白内障(核性白内障):  ナイアシンの経口摂取は、核性白内障のリスクを低下させる可能性が示唆されています。 核性白内障は白内障の最も一般的な種類です。
  • 勃起不全: 徐放性ナイアシンの服用は、勃起不全の男性の性交中の勃起の維持を改善するようです。
  • エクササイズパフォーマンス。 研究によると、運動前にナイアシンと他の成分を含むサプリメントを摂取しても、男性の運動中のパフォーマンスは向上しません。.運動能力向上サプリ:
  • 高リン血症: 高リン血症は、腎臓の機能不全により生じることがあります。 いくつかの初期研究は、ナイアシンを経口服用すると、末期の腎疾患患者や高リン血症人のリン酸塩の血中濃度を低下させることを示しています。 しかし、他の研究では、血中リン酸塩濃度を低下させる投薬と一緒に高用量のナイアシンを経口摂取しても、投薬のみと比べて血中リン酸塩濃度は低下しないことが示されています。
  • 網膜静脈閉塞症: 初期の研究によると、ナイアシンの服用は網膜静脈閉塞を患う人の視力を改善する可能性があることが示されています。視力サプリ:
  • 鎌状赤血球症:初期の研究では、ナイアシンを服用しても鎌状赤血球症患者の血中脂肪濃度は改善しないことを示しています。脂肪燃焼サプリ
  • ざ瘡(ニキビ): スキンケアサプリ
  • アルコール依存症:
  • 注意欠陥多動障害(ADHD):
  • うつ状態(うつ病):
  • めまい感:
  • 薬物性幻覚:
  • 頭痛(片頭痛)・月経前片頭痛生理サプリ:頭痛サプリ
  • 動揺病(乗り物酔い):
  • 統合失調症:

 

効果まとめ

効果まとめ表

効果まとめ表は動物や試験管内の実験ではなく、経口服用による人体での反応を科学的に研究したデータを基にどのような効果がどの程度あるのかをまとめたものです。

 

レベル 研究の質と量
?

信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

二重盲検臨床試験が繰り返し行われ確実性の高い研究が実施されています。
2つ以上のプラセボ効果を排除した二重盲検試験を含む複数の研究が実施されています。
二重盲検試験が1件または複数コホート試験が実施されています。
上記に満たない研究内容または観察研究のみが報告されています。
研究の質と量
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信頼性の高い研究データの量. 信頼性の高いデータが多ければ多いほど研究結果の信頼性が高くなります.

研究対象 効果の大きさ
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それぞれの研究対象に対する効果の方向性と大きさ. 対象項目を増加させるもの、低下させるもの、作用しないものを示しています.

研究の整合性
?

科学的な研究でも常に結果が一致するとは限りません. この評価が高いほど対象項目に関する科学的な研究結果が一致しており、整合性が取れています.

摘要
HDL-C 大きい 非常に高い 6件の研究結果を見る
現在、ナイアシンはHDLコレステロール濃度を増加させる上で主要な基準物質となっています。
にきび 中程度 非常に高い 3件の研究結果を見る
4%ニコチンアミドジェルを局所適用は、1%クリンダマイシンジェルゲルと同等の効力を持ち、ざ瘡の重症度を低減します。油性肌タイプにおいてはクリンダマイシンより良好に作用する傾向があります。
LDL-C 中程度 高い 5件の研究結果を見る
ほとんどのエビデンスは、血中脂質異常症の被験者において、薬理学的用量のナイアシンを補給すると、LDL-Cを低下させることを示していますが、HDL-Cに対する影響よりは小さいです。
トリグリセリド 中程度 非常に高い 8件の研究結果を見る
薬理学的用量のナイアシンを摂取した血中脂質異常症の被験者のトリグリセリドは大幅に減少するようです。その大きさはほとんどのサプリメントよりも大きいですが魚油よりは少ないようです。
血糖値 小さい 高い 7件の研究結果を見る
ナイアシンの薬理学的用量の使用者の間で対照と比較したとき、空腹時グルコース濃度の増加があるようです。これはインスリン抵抗性に関連していると考えられています。
冠動脈心疾患リスク 小さい 研究結果を見る
メタアナリシスによると、対照と比較した場合に、冠状動脈性心疾患を発症のリスクの低下が見られました。
インスリン 小さい 高い 7件の研究結果を見る
ナイアシンの薬理学的用量の慢性補給は、対照被験者と比較した場合、空腹時インスリン濃度を増加させるようです。
インスリン感受性 小さい 非常に高い 5件の研究結果を見る
薬理学的用量のナイアシンを摂取した被験者は、インスリン感受性の低下とそれに伴う悪心を経験するようです。この現象のメカニズムは現時点では確立されていません。
心筋梗塞のリスク 小さい 高い 3件の研究結果を見る
相反するエビデンスがありますが、ナイアシンの補給によって心筋梗塞の発生率が低下する可能性があります。(心血管疾患による全体的な死亡率には有意な差は見られませんでした)
卒中のリスク 小さい 非常に高い 2件の研究結果を見る
ナイアシンの薬理学的用量を対照と比較した異常脂質血症の被験者の卒中率の低下が示唆されています。
心血管疾患の死亡率 非常に高い 2件の研究結果を見る
循環する脂質に対する利益にもかかわらず、心血管疾患による全体的な死亡率は、薬理学的用量でのナイアシン使用で有意に変化しないようです。
アディポネクチン 中程度 非常に高い 2件の研究結果を見る
非アルコール性脂肪性肝疾患やメタボリックシンドロームの病気を持つ被験者における循環アディポネクチンの顕著な増加が示されています。
レプチン 中程度 研究結果を見る
メタボリックシンドロームを持つ被験者が、ナイアシンの薬理学的用量を補給すると、循環レプチンの増加が見られます。
vLDL-C 中程度 非常に高い 2件の研究結果を見る
トリグリセリドおよびLDL-Cの減少に加えて、vLDL-Cの濃度も、ナイアシン補給によって減少するようです。
アポリポタンパク質A  小さい 4件の研究結果を見る
アポリポタンパク質Aが増加したか減少したかに関して、異なる集団においてエビデンスは別々の結論を示しています。低HDL-Cの被験者における研究は、増加を示しており、心血管系の保護作用を持つようです。
熱傷治癒 小さい 研究結果を見る
ざ瘡を患う被験者が、局所クリームを使ってニコチンアミド代謝物を顔に塗布すると、被験者の熱傷の治癒率も増加するようです。
脂肪酸化 小さい 研究結果を見る
ナイアシンの薬理学的用量の服用は、グルコース酸化速度の増加により代謝速度に変化はありませんが、脂肪酸化速度の低下が起こる可能性があります。
肝臓のグルコース生産 小さい 研究結果を見る
インスリン抵抗性の上昇と関連して、健康な被験者における肝臓のグルコース産生の増加が見られました。
インスリン分泌 小さい 研究結果を見る
薬理学的用量のナイアシンの慢性的補給は、グルコース生産に反応してインスリン分泌が低下する可能性が示唆されています。
皮膚の赤み 小さい 非常に高い 2件の研究結果を見る
ナイアシンを含まないニコチンアミドおよびその類似体の局所適用は、皮膚の赤みを軽減するようです。
肌の弾力性 小さい 研究結果を見る
ナイアシンではないニコチンアミドを局所適用すると皮膚の弾力性が増加するようです。
肌のクオリティ 小さい 非常に高い 2件の研究結果を見る
ニコチンアミドを含有するクリームやローションを局所塗布すると全体的な肌の質が向上することが示されています。軽度ですがほとんどの測定パラメータに有益な影響が見られます。
皮膚色素沈着 小さい 研究結果を見る
色素沈着(シミ)を持つ被験者は、ニコチンアミドクリーム(5%)を局所塗布することにより、対照よりも色素沈着が軽減しました。
総コレステロール 小さい 中程度 3件の研究結果を見る
薬理学的用量のナイアシンの補給で、LDLおよびvLDLコレステロールが減少するため、総コレステロールは減少しますが、HDLコレステロールが増加するため全体の減少は大きくありません。
シワ 小さい 研究結果を見る
ニコチンアミドの局所適用は、しわの出現をわずかに減少させるようです。
アポリポタンパク質B 非常に高い 4件の研究結果を見る
アポリポタンパク質Bの減少が注目されているが、ほとんどの研究は、それが感知できるほど影響されないことを示唆しています。
血流 高い 3件の研究結果を見る
1つの研究ではナイアシンの摂取による血流の増加が見られましたが、他の研究ではナイアシンによる血流への有意な影響は見られませんでした。
血圧 研究結果を見る
ナイアシンの補給による血圧への有意な影響は見られませんでした。
C-反応性タンパク質 非常に高い 2件の研究結果を見る
ナイアシンの補給によるC-反応性タンパク質への有意な影響は見られませんでした。
細胞接着因子 研究結果を見る
ナイアシンの補給による細胞接着因子(iCAMおよびvCAM)への有意な影響は見られませんでした。
脂肪質量 非常に高い 2件の研究結果を見る
薬理学的用量のナイアシンの補給による脂肪質量への有意な影響は見られませんでした。
インターロイキン6 研究結果を見る
ナイアシンの補給による炎症性サイトカインIL-6血圧への有意な影響は見られませんでした。
肝臓酵素 研究結果を見る
肥満脂質異常症の男性における薬理学的用量のナイアシンは循環肝酵素を増加させず肝毒性を持たないようです。
代謝率 研究結果を見る
脂肪およびグルコースの酸化速度が変化するにもかかわらず、ナイアシンの薬理学的用量の補給は代謝速度に有意な影響はないようです。
プラズマ硝酸塩 研究結果を見る
ナイアシンの補給による硝酸プラズマ濃度への有意な影響は見られませんでした。
レジスチン 研究結果を見る
ナイアシンの補給による循環レジスチン濃度への有意な影響は見られませんでした。
TNF-アルファ 研究結果を見る
ナイアシンの補給によるTNF-α濃度への有意な影響は見られませんでした。
重量 非常に高い 2件の研究結果を見る
ナイアシンの補給による体重への有意な影響は見られませんでした。
ビリルビン 小さい 研究結果を見る
血中脂肪の異常を調べた研究では、ナイアシン補給に関連してビリルビンの増加が見られました。
ケトン体 小さい 研究結果を見る
絶食状態にある間に低用量ナイアシン(100mg)を繰り返し補給すると、血中ケトンレベルの上昇が見られました。
アドレナリン 研究結果を見る
絶食期間中のナイアシンの補給は、アドレナリン濃度に影響しないようです。
コルチゾール 研究結果を見る
絶食期間中のナイアシンの補給は、コルチゾール濃度に影響しないようです。
グルカゴン 研究結果を見る
絶食期間中のナイアシンの補給(1時間100mg)はグルカゴン濃度に影響を与えないようです。

副作用

副作用と安全性

ナイアシンの経口摂取はほとんどの人にとって安全です。ナイアシンに共通する軽度の副作用は、フラッシング反応で、顔、腕、胸の炎症、うずき、かゆみ、発赤、頭痛の原因となる可能性があります。少量のナイアシンを飲み始め、ナイアシンの摂取前に325mgのアスピリンを服用すると、反応を減少させるのに役立ちます。通常、この反応は身体がナイアシンに慣れていくと消えます。アルコールは紅潮反応を悪化させる可能性があります。ナイアシンを服用している間は、多量のアルコールの摂取は避けてください。
ナイアシンのその他の副作用として、胃のむかつき、腸のガス、めまい、口の痛み、などがあります。
1日当たり3グラム以上のナイアシンを摂取すると、肝臓の問題、痛風、消化管の潰瘍、視力異常、高血圧、不整脈などの深刻な副作用が起こる可能性があります。
ナイアシンを毎日数年間使用すると糖尿病発症リスクを高める可能性があります。
ナイアシンを服用している人の脳卒中リスクに関する懸念があります。研究では、高用量のナイアシンを服用した人は、ナイアシンを服用していない人に比べて脳卒中リスクが2倍高いことを指摘しています。しかし、この結果はナイアシンが原因でない可能性もあり、ほとんどの専門家はナイアシンが脳卒中のリスクを高めると結論付けるにはエビデンスが十分ではないと考えています。

注意と警告

妊娠と授乳: ナイアシンを推奨量で服用した場合、妊娠中および授乳中の女性にとって安全です。 妊娠中または授乳中の女性のナイアシンの推奨量は、18歳未満の女性の場合は30mg/日、18歳以上の女性の場合は35mg/日です。

アレルギー: ナイアシンは、アレルギー症状を引き起こす化学物質であるヒスタミンを放出させることでアレルギーを悪化させる可能性があります。

心疾患・不安定狭心症: 高用量のナイアシンの摂取は、不正魔yクのリスクを高める可能性があります。 慎重に使用してください。

クローン病: クローン病の人はナイアシンレベルが低下する可能性があるため、発症時に補充が必要な場合があります。

糖尿病: ナイアシンは血糖を上昇させる可能性があります。 ナイアシンを服用している糖尿病患者は、血糖値に注意する必要があります。

胆嚢疾患: ナイアシンは胆嚢疾患を悪化させる可能性があります。

痛風: 大量のナイアシンの摂取は痛風を引き起こす可能性があります。

腎臓病: ナイアシンは、腎臓疾患を持つ人に蓄積し、有害な作用を引き起こす可能性があります。

肝臓病: ナイアシンは肝臓の損傷を増加させる可能性があります。 肝疾患のある場合は多量に使用しないでください。

胃または腸の潰瘍: ナイアシンは潰瘍を悪化させる可能性があります。 潰瘍がある場合は大量に使用しないでください。

過度の低血圧: ナイアシンは血圧を下げ、症状を悪化させる可能性があります。

手術: ナイアシンは、手術中および手術後の血糖のコントロールを妨げる可能性があります。 予定された手術の少なくとも2週間前にナイアシンの服用を中止してください。

腱(腱鞘炎)周辺の脂肪沈着: ナイアシンは、黄色腫の感染リスクを高める可能性があります。

甲状腺疾患: チロキシンは甲状腺によって産生されるホルモンです。 ナイアシンは、チロキシンの血中濃度を低下させる可能性があり、特定の甲状腺疾患の症状を悪化させる可能性があります。

 

注意事項

相互作用

中程度の相互作用

下記の組み合わせに注意してください。

  • アルコール(エタノール)

    ナイアシンは潮紅やかゆみを引き起こす可能性があります。 ナイアシンと一緒にアルコールを飲むと、潮紅やかゆみが悪化する可能性があります。 また、ナイアシンとアルコールを摂取すると、肝障害の可能性が増大する可能性も懸念されています。

  • アロプリノール

    アロプリノールは痛風の治療に使用されます。 大量のナイアシンを服用すると、痛風を悪化させ、アロプリノールの有効性を低下させる可能性があります。

  • カルバマゼピン

    カルバマゼピンは体内で分解されます。 ナイアシンアミドがカルバマゼピンの分解速度を低下させる可能性が指摘されていますが、このような作用が重要かどうかについては十分な情報はありません。

  • クロニジン

    クロニジンとナイアシンはいずれも血圧を低下させるため、併用すると血圧が低くなりすぎる可能性があります。

  • 糖尿病治療薬

    ナイアシンとナイアシンアミドの長期使用は血糖を上昇させる可能性があります。 ナイアシンとナイアシンアミドは血糖値を上昇させることで糖尿病治療薬の有効性を低下させる可能性があります。 血糖値に注意し、用量の変更が必要な場合があります。

    糖尿病治療薬にはグリメピリド、グリブリド、インスリン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、メトホルミン、ナテグリニド、レパグリニド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド、などが含まれます。

  • コレステロール低下薬(胆汁酸封鎖剤)

    胆汁酸封鎖剤と呼ばれるコレステロール低下薬は、体内に吸収されるナイアシンやナイアシンアミドの量を減らす可能性があります。 これは、ナイアシンやナイアシンアミドの有効性を低下させる可能性があります。 ナイアシンやナイアシンアミドと薬の服用間隔を4時間以上あけて服用してください。

    コレステロール低下薬(胆汁酸封鎖剤)にはコレスチラミンおよびコレスチポールが含まれます。

  • コレステロール低下薬(スタチン)

    ナイアシンは筋肉に悪影響を与える可能性があります。 スタチンというコレステロール低下物も、筋肉に影響を与える可能性があります。 スタチンと一緒にナイアシンをとると、筋肉の問題のリスクを高める可能性があります。

    コレステロール低下薬(スタチン)にはロスバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンが含まれます。

  • プリミドン

    プリミドンは体内で分解されます。 ナイアシンアミドはプリミドンのを分解速度を低下させる可能性が指摘されていまう。 しかし、これが重要かどうかについては十分な情報がありません。

  • プロベネシド

    プロベネシドは痛風の治療に使用されます。 大量のナイアシンを服用すると、痛風が悪化し、プロベネシドの有効性が低下する可能性があります。

  • スルフィンピラゾン

    スルフィンピラゾンは痛風の治療に使用されます。 大量のナイアシンを服用すると、痛風が悪化し、スルフィンピラゾンの有効性が低下する可能性があります。

軽度の相互作用

下記の組み合わせに気をつけてください。

  • アスピリン

    アスピリンは、ナイアシンによる潮紅を軽減するために、ナイアシンと一緒に使用されることがあります。 高用量のアスピリンを服用すると、ナイアシンの分解速度を低下させ、体内のナイアシンが過剰になり、副作用を起こす可能性があります。 しかし、ナイアシンによる潮紅に最も一般的に使用される低用量のアスピリンは問題ないようです。

  • ニコチンパッチ(経皮ニコチン)

    ナイアシンは潮紅やめまいを起こすことがあります。 ニコチンパッチも、潮紅やめまいを引き起こすこともあります。 ナイアシンやナイアシンアミドを服用し、ニコチンパッチを使用すると、潮紅やめまいが増大する可能性があります。

その他の名称

  • ナイアシン、ナイアシンアミド、ビタミンB3

混同しやすいもの

注意点

  • ナイアシンの補給は、「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる皮膚の紅潮を起こすことが知られています。(β-アラニン のかゆみとは別物)ニコチンアミドの補給ではこのような作用は報告されていません。
  • 薬物の尿検査を隠すためにナイアシンを高用量で摂取すると多臓器不全を引き起こす可能性があるというケーススタディがいくつかあります。

分類カテゴリー

良い組み合わせ

  • アスピリン・ロイプロピラント(ナイアシンフラッシングの低減)

確認事項

服用方法

推奨用量、有効量、その他の詳細

ナイアシン補給の利点の大部分は、1グラム以上の用量で起こります。これは、推奨される1日の摂取量の約500倍です。

下記の用量が科学的な研究で使用されました。

成人

経口服用

  • 高コレステロール血症: ナイアシンの効果は用量依存的です。 ナイアシンの摂取量は、1日50mgから、12グラムと大きな幅があります。 しかし、HDLが最も増加し、トリグリセリドが最も減少したのは、1200〜1500mg/日でした。 ナイアシンのLDLの低減効果が最大となるのは、2000〜3000mg /日でした。 ナイアシンは、コレステロールレベルを改善するために他の薬とよく併用されます。
  • ビタミンB3欠乏症およびペラグラなどの関連症状の予防および治療: 1日300〜1000mgの用量を分割して投与しています。
  • 動脈硬化の治療: ナイアシンの投与量は最大1日12グラムの用量で使用しています。 しかし、ナイアシン約1〜4グラムを単独またはスタチンや胆汁酸封鎖剤と一緒に、最長6.2年間使用しています。
  • コレラ毒性による体液の損失: コレラ毒性による体液の損失を減らすために、1日2グラムが使用されています。
  • HIV /エイズ治療による血中脂質レベルの以上: 最大2gが使用されています。
  • メタボリックシンドローム: ナイアシン2グラムを16週間毎日服用しています。 いくつかのケースでは、ナイアシン2グラムを単独または4グラムのオメガ-3エチルエステルと一緒に採取しています。

点滴:

  • ビタミンB3欠乏症およびペラグラなどの関連状態の予防・治療: 60 mgのナイアシンが使用されています。

注射:

  • ビタミンB3欠乏症およびペラグラなどの関連状態の予防・治療: 60 mgのナイアシンが使用されています。

 

子供

経口服用

  • ビタミンB3欠乏症およびペラグラなどの関連状態の予防・治療: 1日当たり100-300mgのナイアシンを分割して服用しています。

ナイアシンの毎日の推奨食事許容量は次のとおりです。

幼児0〜6ヶ月:2 mg

幼児7-12ヶ月:4mg

小児1-3歳:6mg

小児4-8歳:8mg

小児9〜13歳:12mg

14歳以上の男性:16mg

14歳以上の女性:14mg

妊婦:18mg

授乳婦:17mg

 

また、ナイアシンの一日の最大許容上限レベルは以下のとおりです。

小児1-3歳:10mg

小児4-8歳:15mg

小児9〜13歳:20mg

14〜18歳:30mg

18歳以上:35 mg

 

科学的根拠・参考文献